[制作のねらい]
20世紀、日本は、ひたすらにテクノロジーの進歩を追い求めた。進歩と引き換えに失ったものに気づくことなく―。そして今、我々は文明の裏に潜む暗い陰に、不安を感じ始めてはいないだろうか。人類の生命の源であり、太古から人間に力を与え続けてきた「海」を舞台に、21世紀、人間がどう歩んでいくべきかを探る。
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[作品の内容]
東京の建設会社で働く男、稲葉浩介は、亡くなった親友にかわって、瀬戸内海の漁場改良事業を担当することになり、広島県に出張するが、海で溺れて入院する。入院先で出会った地元の老人、村上徳三との葛藤と交流を通じて、稲葉は、進歩という名のもとに切り捨てられてきたものの大きさに気づく。村上もまた、技術の力を借りなければ再生が見込めない海の現状を認識していく。
自然と技術革新の対立を軸に、さまざまに姿を変える瀬戸内海の様子を織り交ぜながら、二人の人間模様を描く。
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[制作スタッフ]
作・演出 三村千鶴
音楽 横山菁児
制作 大原健嗣
音響効果 上床直人
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