去年9月、東海村放射線臨界事故が起こり、放射線の恐ろしさが再認識されることになった。20世紀最後の8月6日を前に、我々は何を残し、何を伝える必要があるのか。被爆55年を経過したヒロシマを振り返ると、人類で初めて原爆にあったヒロシマの歴史をたどることで原爆の恐ろしさや原爆のもたらす悲惨さを浮き彫りにし、次の世紀に向けて核兵器の廃絶の必要性を伝えていくことこそ、我々の使命だと気づかされる。
被爆地広島の放送局として、中国放送では1959年のテレビ開局以来、原爆や平和をテーマにしたニュースや番組を放送してきた。RCCライブラリーに残るその映像資料は、およそ7000本。開局時は原爆投下後15年以上たっていたにもかかわらず、原爆が人類にもたらした影響は依然と解明されず、新たな被害が次第にあきらかになるとともに被爆者運動は広がっていった。番組ではニュース映像や番組資料を7つのテーマに総括。人類初の原爆投下が人体にどのように影響を与え、恐怖や偏見・差別をもたらせたか。被爆者援護運動、ヒロシマの心を伝える平和運動がどのようにして歩んだのか、さらに核実験や原発による海外の被爆者など過去の取材映像に加え、新たに当時これらに深く関わっていた被爆者や医療関係者、行政の人々に改めてインタビュー。戦争と技術革新の20世紀を象徴とする兵器・原爆が、人類に対して使用されたという事実そして体験を、どうとらえ、何を伝えていくのか。ヒロシマに関わった人々がこの半世紀余り自らに問いかけてきたその歴史を、RCCの貴重な映像で伝えていく。
※なおRCCテレビではこの「ヒロシマの20世紀」を特集の形で、2000年1月から6月まで、『RCCニュースブリッジ』内でも放送してまいりました。
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