(株)中国放送では、エム・ディー・エス(株)、(株)ユニコーンと共同で、電波伝搬シミュレーションソフト「エリアかくべえ」を開発、2月より販売しています。
このたび、郵政省本省、TBS、NHK東京本部、NHK広島放送局などから受注契約を獲得しました。
さらに移動体通信、電力関連、アンテナメーカーなどからも注目され、多数の引き合いがきています。
「エリアかくべえ」は電波の複雑な動きをコンピュータ上でビジュアルにシミュレートし、放送局や携帯電話基地局の最適地、サービスエリアなどの検討ができるソフトです。
一昨年3月、郵政省の発表により2005年頃実施と思われていた地上テレビ放送局のデジタル化が2000年を目途に実施される見込みが強くなりました。
デジタル技術を駆使すれば現在のアナログテレビ換算で3チャンネル分の放送が可能になるといわれており、地上波テレビにも多チャンネル化の波がおしよせてきています。
ところが、現在地上テレビ放送局に割り当てられている電波は全国で62チャンネルしかなく、お互いの放送局が妨害して視聴者に迷惑をかけないよう細心の注意をはらって、チャンネルの割り当てがおこなわれています。
新しく建設されるデジタル放送局も現在のアナログテレビと同じチャンネルのなかで割り当てがおこなわれるもようで、「テレビの電波がどこまで届くのか」、「新局から出る電波が既設の局にどのような影響があるか」、逆に「既設の局が新設の局にどのような影響があるか」など、できるだけ簡単に、スピーデーに、正確に把握、検討することが求められています。
「エリアかくべえ」はこのような現場のニーズに答えるべく開発しました。
このソフトでは、
- 放送局のサービスエリア
- 送受信二点間の回線評価
- マイクロ中継のエリア
- 送信アンテナの指向性割り出し
- サービスエリア内の人工集計
などが可能です。
また、携帯電話の基地局など移動体に関する上記の検討にも対応できるようになっています。
今回、このように多くの受注を受けたということは、このソフトがさまざまな検討に十分耐えうる機能をもっていることが認められたということになります。
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