1945年、被爆2ヶ月後の広島の様子を日本映画社が撮影した白黒映像のフィルムがあります。
このフィルムは映画「原爆の効果」として編集され、アメリカで軍事目的に使われました。
しかし、広島の各地が写った2時間近い未編集フィルムが現存することは、意外に知られていません。
映像は60年近い歳月を経た今も、まるで最近起こった事であるかのように鮮明です。
1995年、このフィルムに映る被爆者一人ひとりを捜し当てるプロジェクトをスタートしました。
中には、この10年間に鬼籍に入られ、連絡先がわからなくなった方もいらっしゃいます。その方々の遺族を探し当て、再び使用する承諾をいただく細かい作業を繰り返し、さらに新たな証言者をも探しながら制作を行ない、2004年8月6日から日本映画新社の全面的な協力を得て、「被爆60年 ヒロシマの記憶」という番組を放送しています。
北朝鮮やイラク問題で、日本の平和観そのものが論議される昨今。そして年を追うごとに減る原爆の体験者。今、重要なのは、記憶を引き継ぐことではないでしょうか。
日本はもとより世界の人たちに「ヒロシマ」と「原爆」の意味を考えるきっかけになればと、番組「被爆60年 ヒロシマの記憶」シリーズを、中国放送のHPに掲載する事にしたものです。
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