審議したのは、2026年8月6日に放送した
テレビ番組「蛍の追憶~ヒロシマを生きた女学生~」です。
81年前、名門校と言われた第一県女に通っていた女学生たち。友を、夢を、家族を奪われながらも生き抜いたヒロシマの、81年の追憶を記した、今年の8月6日に放送した特別番組です。
【制作担当者の説明】
当時2年生だった方達は、偶然、学徒動員に出ていたがゆえに、ほとんどの方が生き残っていらっしゃいます。生き残ってしまった罪悪感であったり、当時14歳、15歳の女の子が原爆に遭ってしまうということの残酷さを伝えられたらと思い、番組を制作しました。
【委員の方々からのご意見、ご感想】
- 今の高校生が積極的に次の世代に継承しようと活動していて、被爆者と高校生と、双方の架け橋といった場面が、番組の中でよく現れていた。継承のあり方に1つのヒントを得たと思った。
- 原爆の番組を見て初めて涙が出た。これまでは生活に対するリアリティが今まであまりなかったが、この番組は怖さが薄れている分、心にすっと入ってくることが多かった。
- 「この世界の片隅に」が評価された1つはリアリティ。普通に生活していて、それが突然壊れた。そこの対比が評価の1つだと思うが、この番組も同じように感じた。一方で、「1日1回、思い出さないことはないんだ」というのも、今日時点でのリアリティを感じることができた。
- 被爆1年後の学校新聞の創刊号に記されていた「日本再建への強い思い」に心を打たれた。被爆という絶望的な状況の中から希望を見いだして、復興に向けて前を向こうとした若いエネルギーに大きな勇気を与えられた。
- 今も世界各地で紛争が続いているこんな時代だからこそ、1人1人の体験や痛みに耳を傾けて、戦争の記憶を未来に繋いでいくことが、平和への第1歩であると同時に、大変意義深い番組だった。
- 番組としてはとても優れていて、非常に感動し、考えさせられるものだったが、普段平和に関心を持たない人たちにどうやって届けていけるのか、本当に難しいが、この番組を見て、なんとかして打開していかないといけないと強く認識した。
- 番組を通して、言葉がとても印象に残った。「むっちゃんこんなに小さかったのね」「おばあさんになってるかね」とか「なんで早く負けてくれなかったのか」とか、言葉の端々に女性の感性が出ていて、とても良かった。
- 土橋とか古田とか高須とか、方向や爆心地からの距離がわかりづらいので、地図があった方が良かった。
- 河田さんの最後の言葉「これだけは伝えたいこと。助け合う、思いやることが大事。命を大切に。平等であること」というのがとても良く、話もしっかりしていらしたし、印象に残った。
- 原爆のセンセーショナルな所を重視するものが多いなかで、着実に番組を作っていて、5人の元女学生の丁寧な言葉を拾っていき、ナレーションも心地よくて、その中で心を動かされるところがあって、そのバランスがとても心地よかった。自分事として、「私があの場にもしいたら」みたいなことが浮かぶような作りになっていたのも、とても良かった。
- 95歳だからこそお話くださったこともあると思う。きちんとそれを受け取って、受け取る側の力も試されている番組なのかなと拝見した。
【番組担当者の返答】
リアリティを大切に考えながら編集をさせていただいたので、そういうご感想をいただけると大変ありがたいです。被爆体験を伝えるには、どうやって見てくださる人の想像力をかきたてるか、想像していただくかということを考えながら作らないといけないんだと学びながら作らせていただきました。