審議したのは、2026年3月20日に放送したテレビ番組「Never Give Up~RX-7 僕をつなぐ夢の車~」です。人生の絶望の淵にいたアメリカ人男性ジェフリー・ジョーンズ氏が、1台の日本車「マツダ・RX-7」との出会いをきっかけに、その背景にあるマツダ、そして広島の「決して諦めない(Never Give up)」精神に触れ、生きる喜びを取り戻していくドキュメンタリー番組です。
【制作担当者の説明】
広島、原爆に関係がある番組を作りたいと思っていたが、広島に住んでいたわけじゃない人間がどんな番組を作れるだろうと考えた時に、マツダをすごく愛して、RX-7に命を救われたとまで言っている、アメリカ人の知り合いがいて、彼の目を通せば、広島を外から見るようなものを作れたら、日本人、広島の人の視点だけじゃ気づけなかったことにも気づけるんじゃないかと思い、番組を制作しました。
【委員の方々からのご意見、ご感想】
- RX-7というマツダの代表的な車を紹介しつつ、広島が原爆の惨禍から再起したことと、主人公が鬱から再起するという2つの姿がうまく掛け合わさっていた。
- 凹んだ状態で番組を見ていたら、マツダの社長やジェフリーさん、色々な人がNever Give Upと言っていて、ナイスタイミングで応援されたような気持ちになった。
- 最初車の番組かと思っていたら、終着点が見始めた時とグッと変わって、それはおもしろかったのだが、最初だけ見てまあいいや、となった人もいたと思う。
- マツダのエンジニアのOBの方が「マツダは心やビジョンを売っている」と断言していて、強烈に印象に残った。そういうワンフレーズが、冒頭などに少し出ているとより入り込めるのではないかと思った。
- サブタイトルが「僕をつなぐ」となっていたので、何と繋ぐのかと思っていたが、明日のご自身、自分の命を繋いでくれたのがこの車なのかなと感じた。命を繋ぐ起点が車で、そこからマツダ、広島というウイングの広がり方、構成が非常に好感が持てた。
- ちょっと欲張りすぎかなと思った。車があって、ジェフさんの人生があって、原爆、真珠湾、スミソニアン、ロータリーエンジン。どれもつまんだだけで、響かなかった。
- マツダはすごいと思った。人を動かすのは人で、努力の形が商品になって、それを調べていると自らも勇気をもらうし、それを原動力として他の人にも展開する。もっと遅い時間帯に放送された方が、より良かったと思う。
- 「映画を作る」という割に、映画がどういう内容で誰に向けて作られて、というようなことが語られていなかった。映画を作った先にジェフさんがどう生きていこうとしているかの言及もなかった。
- 終わりに近いところで「僕が映画を作る目的は、人々がボスとの戦いに勝つ助けとなること」と字幕付きであったが、このボスって何なんだろうと、大事な話だったので、知りたかった。
【番組担当者の返答】
基本的には質問内容もすべてジェフさんに任せて、ジェフさんが動いていってできたドキュメンタリーでした。最後の「ボス」という言葉は、ゲーム好きのジェフさんが「どんな強い難敵にも立ち向かえるように」という時によく使う言葉で、もうちょっとわかりやすい意訳ができた、惜しいことをしたと思いました。