審議したのは、2025年12月21日に放送したテレビ番組「トーシン住宅 第九ひろしま2025 広島で歌い繋ぐ歓びの歌」です。2025年で41回目となった広島の年末の風物詩「第九ひろしま」。1340人の一般参加の合唱団と観客が一体となってベートーヴェンの交響曲第九番第4楽章を合唱しました。
このイベントを、練習から追い、記録した番組です。
【制作担当者の説明】
2018年にこの番組のプロデューサーになってから、その年の出来事をなるべく番組に入れるようにしてきました。今年は、弊社OBで第九の立ち上げに関わった才木幹夫さんが今年になって被爆証言を始めたということで才木さんの証言と第九に対する思い、「第九ひろしま」のきっかけとなった1982年に小澤征爾さんを招いた「小澤と歌う第九」という番組からの歴史、そしてそれだけだとハードルの高い番組になるところに、アンガールズの田中さんのお兄さんが初めて第九に参加するというので田中さんのお兄さんを追う事にしました。
また第4楽章はノーカットで番組化しています。
【委員の方々からのご意見、ご感想】
- 50歳を機に参加した田中さんのお兄さん、高齢で31年間参加されている方、映像を見ると小学校低学年のお子さんもいて、幅広い年代の方が支持しているということがよく分かった。
- 音楽への造詣が深くないから、プロの指揮・演奏と素人の集団がコラボして、本当に素晴らしいものになるんだろうかと常々思っていたが、いい意味できれいに裏切られた。
- 本番の合唱部分でナレーションが一切入らなかったのが非常に良く、没入できた。最後で合唱団などのインタビューが入ったのが、せっかくそこまで自然な余韻だったので、蛇足に感じた。
- 後半コメントもなく、ちゃんと音楽を聞かせてもらえて、昨今あまりないと思い、ぜいたくな番組だった。
- 田中さんのお兄さんがすごく良かった。第九番組なら観ないかもしれない人も、この田中さんが出てきたことで、非常に楽しく入れた。
- 森山良子さんを呼んだのは「サトウキビ畑の歌」、戦争という意図があったと思うが、森山さん自身の言葉では「サトウキビくんが~」みたいに軽く話していたのがかえって良かった。
- 先ほどムシカという喫茶店の話が出てきたが、外から広島に来た人には、だから第九好きの日本人の中でも広島市民の支持は高いんだと腑に落ちる話で、短くてももう少し入れ込んでほしい。
- 第4楽章に手をつけないというのが効果があがっていると感じた。見ている人たちは、あそこでチャンネルは変えられないだろうと思う。迫力のある番組になっていた。
- 導入が静寂から始まるのがすごく良かったし、終わり方も良かった。アンガールズ田中さんのお兄さんをうまく使って、おもしろい構成だと思った。
- 後半合唱団をずっと映していて、1人1人に色んな思いがあってここへ来ているんだと思うと、音と合わせて映像も感動的で、増幅していた。字幕が少ないのも良かった。中には松井市長もいらして、気づく人は気づくみたいな感じだったが、字幕は出ないというあたり、おもしろいと思った。
- 基本情報が、たくさんあると逆にノイズになるのかもしれないが、もう少しあると、後半への気持ちの盛り上がりがさらにもらえて、より良かったと思う。
【番組担当者の返答】
ご意見を受けて今1つ思い浮かんだのは、広島の第九ではエリザベト音楽大学の存在も大きいということ。エリザベト音大の先生方が地道に教え、目が行き届いているから、合唱団も育っていくというところがあります。今までその切り口では番組化していないので、次、もし田中さんのお兄さんのようないい人がいなかったら、先生方に切り口をむけるのもいいなと思いました。