審議したのは、2月24日に放送したテレビ番組「第22回全日本高等学校ゼロハンカー大会 青春を疾走せよ!汗と涙のドキュメンタリー」です。2024年12月に開催されたゼロハンカーという50㏄のバギーの高校生による全国大会を取材したドキュメンタリー番組です。
【制作担当者の説明】
この大会は、岡山県朝口市で開かれているため、これまでRCCで取り上げることはありませんでしたが、初代の優勝チームは広島の高校であったことや福山放送局の担当者が大会を伝えたいという熱意を持っていました。ものづくりの甲子園とも呼ばれる大会について、チームの取材、レースの様子を紹介することで、切磋琢磨する選手たちの青春物語を応援しようという思いで制作しました。
【委員の方々からのご意見、ご感想】
- 県内の高校が統合される中、部活を維持させることも学校にとっては大変なこと。先生や高校生の工夫が感じられた。また、OBや地元の人とのつながりの強さに感銘を受けた。
- 懸命にレースに取り組む姿、他校の生徒とのやり取りで同世代同士のつながりも見られ、生徒の成長する姿を見ることができ、青春の実相がうかがい知れた。
- 生徒を紹介して盛り上げたが、レースではどうなったのか分からない部分があり、気になった。
- 大会の意義や歴史など初めに説明があればよかったのではないか。
- ゼロハンカーという言葉を初めて知った。まったくわからない視聴者に向けて序盤あたりで理解できるような内容にしてあり、入りやすかった。
- 大会に出場した3つの高校のレースが3度繰り返されるところが冗長に感じられた。
- 3つのレースの繰り返しは気にならなかったが、専門用語の難しさがあり、その説明があるともっと興味深くみられたのではないか。
- ゼロハンカーの作り方、設計、エンジンなど組み立てるところの取材があれば、製作の苦労や喜び、そこからつながる将来像、夢などももっと聞いてみたかった。
- 旋盤、溶接、鋳造などモノづくりのスキルとドライビングスキルの合わせ技で勝負するマイナー競技のおもしろさに光を当てた点が良かった。
- 地域の方とのかかわりが高校生の青春というだけでなく、世代を超えてかかわる人たちの青春とも感じられ温かい気持ちになった。
- 自らの高校時代を思い出しながら、物事に打ち込む熱量を感じながら見ることができた。
【番組担当者の返答】
3つの高校をそれぞれに大切に取り上げたいという思いが冗長に感じられたかもしれない。ゼロハンカーを一から作るのではなく歴代の先輩が作ったものを改良しながら乗っており、先輩とのつながりなど深掘りすると彼らの輝きも増したかもしれない。工業高校の学科の競技ということで、地域のプロに支援を受け、地域とのつながりの大切さも描きました。登場人物が多く、情報量もあったため、全体の構成については、今後につながるようにしていきたい。