審議したのは、4月29日に放送したテレビ番組「ノンストップ・バス~ハンドルを握る理由~」です。この番組は、若いバス運転手の運行デビューや夜行高速バスの運行を取材したドキュメンタリー場組です。
【制作担当者の説明】
物心ついたころから乗り物が好きで、興味がありました。バス運転手の働き方を取材することで、運転手不足や路線バスの減便など、2024年問題と言われる業界の働き方改革後の課題などを感じてとってもらえたらという思いで取材しました。
【委員の方々からのご意見、ご感想】
- 特異な勤務体系に気づくとともに、公共交通と輸送、流通で運転手の取り合いになっている現状をどうとらえるか、課題が浮き彫りになった。その特異さの補足説明があると、より内容が伝わったのではないか。
- CM前の事故の映像は紛らわしかった。
- 制作者のバスへの思いが伝わってきた。
- 高齢のドライバーは50%を超えると紹介があったが、取材したドライバーは皆若く、高齢ドライバーの話もききたかった。
- 赤字路線の問題、自動運転が進むにつれて抱える問題など、バス業界が抱える課題は大きい。
- 急カーブのある坂道の運転を実況で伝えた場面については、安全が要求される路線バスと考えるとショーアップ的な演出と捉えられ違和感があった人もいたのではないか。
- 実況で伝えたことで、運転の魅力が伝わったように感じた。
- 運転手の喫煙シーンが必要だったか。
- バス業界に対する専門家の意見をもっと聞きたかった。
- 番組のサブタイトルはバス業界を俯瞰した内容が良かったのではないか。
- 法改正の後の実態について、労働環境と安全性の課題についても説明が欲しかった。
- 運転手の動作確認など、番組を通して見ることによって、安全に乗れているバスや公共交通のありがたさを感じた。健康チェックなどは乗る側に安心感が与えられた。
【番組担当者の返答】
バス会社に取材を申し込んだが複数社から断られ、取材の難しさを感じました。勤務体系はいくつもあり、昼に8時間休みがある特有の勤務体系を紹介したいと思っていた。いわゆる朝と夜の間に休憩をとる中間開放という勤務シフトは全体で3,4割と推察していますがもっと丁寧に伝えれば理解を深めていただけたのではないかと思います。坂道の運転演出については、ほかの表現方法も考えられたと思います。喫煙シーンについては、放送が祝日で子どものあこがれる職業という意味では考慮できたと思います。自動運転は実証実験が県内でも行われていますが、安全性の担保の部分でクリアできていない問題がいくつもあり、まだまだ運転手の確保は必要だと考えています。コスト面では、業者側にも、利用者にも、もっと問題意識を投げかける要素を増やせばよかった。