審議したのは去年10月から今年3月にかけて毎週金曜のラジオ番組「すっぴんブギ」内で放送したコーナー「世羅町合併20周年記念 東洋額装スペシャル 大妻コタカの生涯」全25話です。明治、大正、昭和の時代に一筋に女子教育の道を切りひらき大妻女子大学の創設者でもある大妻コタカの生涯を物語にしてたどりました。
【制作担当者の説明】
世羅町合併20周年、生誕140年の記念に、名誉町民でもある大妻コタカの生涯をたどりたいと考えました。資料提供や内容確認などは、大妻女子大学の卒業生等で構成される大妻コタカ記念会の協力を得ました。ナレーションは世羅町で農業を営むなどゆかりの深い、俳優のさいねい龍二さんにお願いしました。生放送の中で、1週経つと内容が分からなくなるため、それまでのあらすじなどはパーソナリティの松本裕見子さん、田口麻衣アナウンサーに話してもらい、コーナー全体で楽しんでもらえるように工夫しました。
【委員の方々からのご意見、ご感想】
- 大妻コタカの人となり、教育者として後進に伝えるメッセージに感銘を受けた。書き留めておきたい言葉がいくつもあり学びにつながった。
- さいねいさんのナレーションが、経験を積みながら回を追うごとに工夫されているのが伝わった。
- ホームページやYouTubeから聞くことができ、聞けなかったところ聞きたいところのフォローアップができるのは今の時代の利点だ。
- スピードの速いものを聞きがちだが、ゆっくりしたペースの物語は、老若男女、幅広い年代を意識したものだとわかったが、初めは戸惑いが少しあった。
- 物語に神社が出てきたが何度か訪れたことがあったため、臨場感を持って情景を思い浮かべられた。
- 耳で聞くニュースや音楽番組と違い、小説を耳で聞くおもしろさがあった。
- 偉人の伝記を聞いているように感じ、社会的に意義がある。
- 次の物語への期待感は、連載ならではの良さ。配信とはまた違う既存のメディアならではの魅力に気づいた。
- 当時の内容を現代に寄せて作っているかと感じていたが、実技実学で大学の教育者として目覚め、自分の立場を築いていく大妻コタカの生涯は、違和感なく現代にも受け止められる。
- BGMが物語のそれぞれの場面にマッチしていた
- 当時の時代背景ならではの不幸に遭遇しながらも、それでも最終的にはそれらを人生最大の幸福に変えたコタカさんの一生に、人生の不可思議さを感じた。
- 教職追放令により学校を追われたといった趣旨の説明があったが、具体的にはどういった行いがGHQに断罪されたのかが少し分かりにくかった。
- 世羅町の実家の状況、コタカさんのバックグラウンドがもう少し詳しいと良かったのではないか。
- 日本のその時代、時代の状況を理解することは重要で、だんだんとわからなくなっていく時代背景を伝える責任がメディアにはあると思う。
【番組担当者の返答】
合併20周年企画ということもあり、ふるさと、地元とのつながりと意識して構成しました。当時の価値観を物語には入れながらも、コタカさんがどのように考え行動したのか体感していただきたいと伝記のようにまとめていきました。その伝記を、いろいろなエピソードとして組み合わせ、ラジオ番組としての演出も加えながら、耳で聞いてコタカさんの一生をたどっていける形を重視しました。
【その他】
2024年度下半期のテレビ番組種別報告をし、了承されました。