審議したのは1月13日に放送したテレビ番組「広島の海から未来を変える~最新技術で課題を解決~」です。広島は海とともに栄えてきた歴史があり、その海にはさまざまな課題が横たわっています。広島の海に焦点を当て、課題解決に向けた世界に先駆けた取り組みを紹介した番組です。
【制作担当者の説明】
海は近くにありながらも近年、広島でも海離れが進んでいます。牡蠣の幼生検出、船の水素燃料、AI導入の自律航行船について、これまで培われてきた伝統的技術やノウハウ、遺産を生かして進められる研究とこれらにかかわる人々の熱い思いを紹介しました。明るい未来への期待と希望を感じていただけたらという思いを込めました。
【委員の方々からのご意見、ご感想】
- 水素エネルギー、AI技術、リサイクル技術の活用など、革新的な取り組みをわかりやすく紹介した点は評価できる。
- CM挿入のタイミングについて、再考の余地があるように感じた。CMを挟むこと自体は悪くないが、CM後の話題の転換が唐突に感じられた。
- 水素を混ぜて燃やす混焼についての取り組みが紹介されていたが、将来的な目標と現在の位置づけを明確にすることでわかりやすくなる。
- プラスチックコーティングの肥料に関する説明について、プラスチック部分を減らすテストに触れるなどより深い取材もしてほしい。
- プロジェクトに協賛する企業名の紹介について、掲示するタイミングや場所がふさわしかったか気になった。
- 未来と現在がつながっていると感じられる内容で、高校生などの学生にもみてもらいたい。
- テレビの視聴者は受け手になりがちだが、クイズ形式にすることで視聴者に参加型の内容になる工夫は評価できる。
- 「水素専焼」「生分解」といった専門用語について、子どもも含めた幅広い視聴者層に配慮し、丁寧な説明を加える必要があると感じた。
- 取材対象者が制作した動画を使用する場合、必要に応じてテロップの修正など加工をし、より分かりやすく見せる工夫が求められる。
- 「海」をキーワードに様々な環境対策が盛り込まれており、広島発の取り組みが瀬戸内、日本、そして世界へ広がっていくとよい。
【番組担当者の返答】
プラスチックコーティングについては初めて知る内容で、深い掘り下げはできていなかった、今後に生かし情報を充実させたい。水素混焼船は企業のフラッグシッププロジェクトでもあり、企業側も理解の促進に意欲的。一般向けの試乗会が開催される際には情報発信を行いたい。 牡蠣のアプリは試験運用中ですが、どのように漁獲量の影響など今後の追加取材もしていきたい。動画の加工については、視聴者にとってわかりやすく、誤解を招かないような配慮が必要だったと感じます。
【その他】
委員1名が体調不良により急遽欠席し、出席委員が半数となったが、事前にほかの欠席委員から意見をいただいていたため、審議会を成立と判断した。