第706回中国放送番組審議会 概要

審議したのは12月31日に放送したテレビ番組「託す思い~日本被団協ノーベル平和賞受賞~」です。この番組は、授賞式に臨んだ日本被団協の箕牧智之さんの動きを中心に追いかけながら、日本被団協のこれまでの歩み、被爆者が抱えてきた苦しみ、原爆の恐ろしさ、核廃絶を願う被爆者の切実な思いを描いた番組です。

【制作担当者の説明】

ノーベル平和賞受賞で長年にわたる被爆者たちの草の根の運動が評価されました。先人たちの活動がキーワードになると感じ、その活動を描くことで日本被団協のあゆみを伝えると同時に、高齢化する被爆者の貴重な証言を残したいと考えました。高齢になられてもなお訴え続ける力強さ、そして「こんな機会はない」とノルウェーのオスロまで大勢の方が行かれ、現地で何を訴え、何を思うのか、記録したいと思い制作しました。

【委員の方々からのご意見、ご感想】

【番組担当者の返答】

一般市民の私たちに何ができるのか、どうすれば平和が築けるのかをみんなで考えるようなきっかけになればと思いながら制作をしました。大きな国際情勢とかではなく、普通の人がどう平和を作っていけるのかを考えることが、実は戦争防ぐ、世論を作っていくことだと言われた森滝春子さんの言葉が胸に響きます。番組構成には苦労しました。オスロでの授賞式の様子と活動してこられた先人たちを描くバランス、マスコミが多く集まる上に制限もあるオスロの取材をどのくらい盛り込むかなど、時間をかけて検討しました。ノーベル平和賞受賞はスタートであると感じています。喜びだけではなく、安全保障や広い視点、専門的な視点は持ち続けなくてはいけないと感じています。

<文責:中国放送番組審議会 事務局>
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