第696回中国放送番組審議会 概要

審議したのは、12月31日に放送したテレビ番組「故郷の舞を届けに~北広島町神楽団ロサンゼルス公演~」です。アメリカ南カリフォルニアの広島県人会に所属する日系人は約800人。ふるさとを離れて暮らす人たちに広島の神楽を見てもらいたいと、北広島町の8つの異なる神楽団から手を挙げた17人が行った海外公演を追った番組です。

【制作担当者の説明】

北広島町には70を超える神楽団がありますが、高齢化や新型コロナウイルスの影響で63にまで減少しました。そんな中、G7広島サミットで各国首脳や海外メディアに披露する機会があり大変反応が良かったと聞いています。海外公演をしてはどうかと声がかかり、各神楽団に呼びかけ、実現の運びとなりました。こういった一連の取り組みを番組化して県民に広く見ていただこうとの思いで制作しました。

【委員の方々からのご意見、ご感想】

【番組担当者の返答】

芸北地域の神楽団は、神社ごとに神楽団がある地域があり、神様にそれぞれの神楽団が神楽を奉納します。地域で受け継がれていくため、異なる神楽団が一緒に舞う機会はあまりなく、同じように見えてもリズムや舞の間が違い、合わせることは難しい。演目の説明が足りないところなどは番組制作者が当事者的に入って作りこみ、当事者に寄った作りになっていました。合同練習で得たものを持ち帰って自分の団のスキルアップに生かしていきたいという意識で参加されているので、お互いが高い意識で取り組み、見ている方にも嫌な感じがせず、受け入れられるような場面だったと思います。団員はプロでなく、日中は仕事を持っておられ、神楽の知名度が上がり、海外から声がかかっても仕事もそうそう休めないジレンマがあると聞きます。放送後、神楽団に入ってみたいと何人か出てきたそうで、地道な取り組みに手ごたえを感じていらっしゃいました。今後も番組などでバックアップしていきたい。

<文責:中国放送番組審議会 事務局>
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