第692回中国放送番組審議会 概要

審議したのは、10月9日に放送したテレビ番組「ファジリャとマリア~ウクライナから来た姉妹~」です。2022年2月、ロシアによるウクライナ侵攻が始まり、多くのウクライナ人が国外へ避難。広島にも10代の姉妹が避難し、2人だけの生活が始まりました。帰国までの1年間の取材をまとめ、特別番組として放送しました。

【制作担当者の説明】

避難した方々を取材しようとしたが、精神的に不安になられる方もいらっしゃる中で、取材に答えていただくことが難しかった。この若い姉妹は、初めて取材に応じていただいてから帰国されるまで我々の取材を受け入れてくださいました。中根アナウンサーが英語が堪能で、コミュニケーションをとりながら一緒に遊びながら、女性記者と共に映像を積み重ねた番組です。また、姉妹の母親も来広して、戦時下で生きる母親の率直な思いも伝えることができたこともよかったと感じています。

【委員の方々からのご意見、ご感想】

【番組担当者の返答】

資料館には2人も行きたいと言ったと聞いていますが、ウクライナの戦況が変化することに彼女たちの心境も変化したと聞きました。心境の変化の過程をすべては説明ができませんが、気持ちが揺れていたと理解いただきたい。首都を空爆され地下壕に避難するような戦争をだれも止められないという、姉妹の世界のとらえ方から出た言葉だと理解しました。こういう境遇に直面した人の心情をダイレクトに聞く機会はあまりないので、考えを巡らせていただけたらありがたい。中根アナウンサーは語学力を生かして、これからも広島から世界を感じる取材をしてもらおうと考えています。ウクライナからの避難者は東京などではサポート組織があるようだが、地方に来ると孤立無援に近い状況の人が多い。雇用した先も線を引かれていたことを受け止めて取材をさせていただきました。3人は10月下旬に無事にウクライナに入ったと聞いている。機会があればその後を伝えたい。

【その他】

2023年度上半期のテレビ番組種別報告をし、了承されました。

<文責:中国放送番組審議会 事務局>
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