審議したのは、6月4日に放送したラジオ番組「中四国ライブネット 広島発 歌人・村下孝蔵 色あせぬ歌2023」です。24年前に亡くなった広島にゆかりのあるシンガーソングライター村下孝蔵さんを偲んで放送しました。
【制作担当者の説明】
1999年6月24日に亡くなられてから村下孝蔵さんを偲んで定期的に番組を制作することを継続してきました。ゲストは、村下さんと生前から親交のあったさだまさしさんと、若い世代の意見を聴きたいと考え、YouTubeで村下さんの曲の発信をしている大阪のRoom3というグループに出演していただき2時間を構成しました。
【委員の方々からのご意見、ご感想】
- どの曲も昭和っぽいテイストがありながらも古すぎる感じがなく、心地よく聞けた。広島にゆかりがあったとはいえ、亡くなってずいぶん経つのに追悼番組をしていることに驚いた。それだけ素晴らしい曲を残されていると感じた。
- 今年もこの番組がというくらい恒例の番組、法事のような番組。亡くなってなお年に一度取り上げて改めて聞いてもらう機会を設けることは、地方ラジオ局ならではで、温かく良いこと。
- 村下さんを知らない人が聞いても寂しさ、悲しさとパーソナリティの優しい声が調和し、雨の季節の追悼番組としてはしっとりしたいい番組でした。
- 曲を流す際、何年の曲か紹介があったら時代を振り返るよすがになったのではないか。
- パーソナリティがG7について、村下さんの発言を代弁するような発言があった。個人の意見として述べられることは良いが、亡くなった方の名前を借りて発言されたことに少し引っかかりを覚えました。
- 審議番組以外にも、YouTubeを聞いたりして、村下さんの代表曲やパフォーマンスを見ましたが、全て完璧でした。歌もギターもうまい。これを30年前にやっておられた。広島の放送メディアが村下さんのように若いミュージシャンを育てて世に出していく土壌がずっと続いてほしい。
- ご存命ならどのような作品が生まれ、どのように音楽シーンに影響を与えたのか知りたかった。残念ではあるが、絵や音楽など作品は残ることがうらやましい。
- 女子をリードする男子という発言について、今日的な意識をもっていただきたい。パーソナリティに向けた発言のガイドラインはどのようになっているのか。
- さださんやRoom3のインタビューで村下さんの新たな一面を知ることができた。
- この番組を楽しみにしている広島の全国のファンと確認し合えるいい企画だと感じた。
【番組担当者の返答】
村下孝蔵さんは、父親の転勤で広島に来られ、音楽活動を広島で行う中でパーソナリティの西田篤史さんと出会いました。深い交流の中で、戦争に関する話もしていたのではと想像し、発言につながったと思います。村下さんの歌の魅力は、歌詞の中に片仮名がない。幅広い世代に親しんでいただけて、その世界が自分の体験の中にあるような感じが、耳なじみがあるということにつながるのではないか。ジェンダーの配慮は気が付かなかったので、現場で共有します。リクエストやお便りを多くいただくが、懐かしむのがいいのか曲を多くかけたほうがいいか悩む。若い人の前で古い話をして悦に入ることは気を付けなければならない。