審議したのは、5月20日に放送したテレビ番組「広島サミットの日」です。広島で開催されたG7広島サミットの2日目の様子を首脳の動向を伝えながらゲストを招いて放送しました。
【制作担当者の説明】
サミットで行われる議論の評価については、サミット後に普段の番組の中で行うとして、特別番組では、視聴者の関心が最も高い首脳の動きや生活に関わるリアルタイムの交通情報、首脳や配偶者のサイドの情報を拾って伝えたいと考えました。実際は、首脳の予定がかたまらなかったり、変更になったり、予測がつかなかったり、急遽決まったゼレンスキー大統領の来日などめまぐるしく変わっていきました。会場となったプリンスホテルが見える場所をスタジオに設定し、予め取材していた内容と、複数の中継を交えてお伝えしました。
【委員の方々からのご意見、ご感想】
- 軽い話題も織り交ぜながら家族で昼の時間帯に見るには程よい塩梅の適切な番組だった。
- ゲストのモーリー・ロバートソンさんは、広島とのゆかりなどから適任だと感じた。
- アメリカ側の80年代のリアルな空気を伝えられる方は多くいないため、広島で過ごした少年時代の経験も含めて、稀有な人材と感じた。
- 「原爆はアメリカの正義」という考え方が少しずつ変わりつつあるというモーリーさんの言葉を信じたい。
- 被爆者の田中さんのコメントで、アメリカの若者の核兵器や戦争に対する意識が変わってきたという話は勉強になった。
- 広島で避難生活を続けるウクライナの姉妹の話は胸に迫るものがあり、侵略行為を現在進行形で受ける被害国民の生の声と重く受け止めた。
- ウクライナの姉妹は真意を言い淀んでいるように感じた。英語の言葉を探していたのではないか。母語で滑らかに思いを伝えてもらい、後で吹き替えや字幕で伝えることができたらもっと深い話が聞け、彼女らにとっても良かったのではないか。
- 各国首脳が資料館から出てきた際の表情を見て、展示や被爆者の話などから思いが一定程度伝わったのではと感じた。
- 宮島から中継したハルという人が誰だろうと疑問を抱いた。
- CM前のデモ隊について、どういう団体でどんなことを訴えているのかもう少し詳しく知りたかった。
- 広島で活動する若い方、ゲストのカクワカ広島の瀬戸さんの話をもっと聞きたかった。
- サミットの初日に発表になった広島ビジョンについて、瀬戸さんに評価してもらったり、視聴者に投げかけたりしてもらうことはできなかったか。意見を聞きたかった。
- 3日間連続して特別番組を編成され、全て通して見せていただいた。多様性を感じるゲストの人選が良かった。モーリーさんの父親の話や取材した資料館の話、ショルツ首相の特ダネなど、情報をキャッチしてうまく伝えられた。
- サミットの議論に対する評価は、地元メディアとして事後を含めて報道番組などで検証して欲しい。この番組は、2時間の中で硬軟合わせたコンテンツに飽きない工夫がされており、サミットと同時発信される広島の歴史の1ページという意味合いも大きかったと感じる。
【番組担当者の返答】
宮島に入島制限がかかる中、知人に映像を撮影してもらい、レポートも頼んだが、名前を出すことに抵抗があると言われたため、ペンネームでの紹介となった。大げさだったかもしれない。サミットに対してさまざまな考えを持つ方がいることを伝えたかったが、デモについては事象の一つとして取り上げるにとどめました。どのように説明するかについては今後の課題としたい。瀬戸さんには司会者がもっと話をふればよかった。ドイツのショルツ首相の情報は特ダネ映像です。夜の街の取材もした中で、車列や警備などを追いかける中で見つけ、よく粘ったと思いますが、空振りもしています。
【その他】
共同通信社の曽我部桂広島支局長が委員に就任されました。