第687回中国放送番組審議会 概要

審議したのは、1月28日に放送、3月26日に再放送したテレビ番組「一人暮らしだけど1人じゃない 102歳の哲代さん」です。尾道市でまわりの人たちに助けられながら一人暮らしをしている102歳の女性に密着したドキュメンタリー番組です。

【制作担当者の説明】

哲代さんは、夫とは20年前に死別して1人暮らし。朝の味噌汁を作るシーンなど日常をつなぎ合わせて描こうと考えました。母親がこうなったら、自分の続きとして、自分の関係する人間の将来として重ねて見ていただきたいという思いがありました。高齢化していくことをどのように受け止めるか、多くの人が不安に思う人生100年時代の灯火のような存在になれたらと思い、制作しました。

【委員の方々からのご意見、ご感想】

【番組担当者の返答】

ドキュメンタリーで「カメラを切ってしまった」とテロップをかける手法について、制作側にも反省がにじみ出る言葉で、視聴者は一度しか見ていないのに止めるという強さで印象付けようとしました。このエピソードは哲代さんにとってとても大切な思い出でコミュニケーションの一つのツール、見せ方だと理解しています。誰でも持っている、自分はこういう人だという思い出として私たちが受け止めることが大事です。現代の価値観には合わなくても、この年代の女性にとっては重く負い目となるようなことの表現について考えました。子どもがいない独身の30代の男性が哲代さんと関係性を築き質問した大切なシーンでした。哲代さんがつらいことを乗り越えるためにもユーモアをもってやってきたということを見ていただきたかった。意図的、仕込みかについては、ディレクターは取材する時に、あらゆるものを仕込みます。どういうものが撮影できるかを考えて自由意思に任せあらゆる方向から撮影をします。

【その他】

2022年度下半期のテレビ番組種別報告をし、了承されました
広島大学キャンパス国際化担当副理事でダイバーシティ&インクルージョン推進機構の川合紀宗教授が委員長に選任されました。

<文責:中国放送番組審議会 事務局>
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