審議したのは、12月31日に放送したテレビ番組「RCC開局70年広島大家族。プロジェクトスペシャル~新井さんもジャニーズJr.猪狩くんも学校へ行こう!~」です。「広島家族。」をブランドスローガンに掲げ、地域をつなぐ一助となりたいとRCCが開局70年に行った企画をまとめた番組です。
【制作担当者の説明】
このプロジェクトは、「拝啓 20年後のあなたへ」と「RCC SCHOOL」の二本の柱から成り、手紙企画は、開局50年にリスナーから20年後に届けたい手紙を募集し、タイムカプセルに保管していたものを開封し届ける内容でした。スクールは、未来を担う子どもたちのために作った体験型の仮想学校で、新井監督やジャニーズJr.の猪狩さんに実際に学校を訪ねて授業をしていただいたり、野球中継の現場で放送を体験してもらったり、また、高校の県大会を高校生自身がライブ配信するなどしました。番組では、取り組みの集大成をご覧いただきたい、子どもたちの今の姿などを見ていただきたいと思い、制作しました。
【委員の方々からのご意見、ご感想】
- 中学生が将来の夢を語る場面で、具体的な夢を持つことも、発表の場でポジティブな合いの手を入れる雰囲気も素敵だった。
- 20年前の手紙は、何を書いたかは覚えていなくても、読み始めるとあっという間に当時に同期する様子が伝わり、ジーンときた。
- 「広島大家族。」というタイトルはもう少し説明が欲しかった。
- 日ごろは裏方の役割の人が出演しており、一人一人が魅力的で温かく、RCCの会社の雰囲気が想像できたが、名前だけでは仕事内容がわからない部署があり、紹介があれば良かった。説明が難しい場合は、詳しくはこちらとHPを紹介するなど工夫をしてはどうか。
- 中学生が8人発表する予定が、3人で新井監督が登場したため、その後はどうなったかと気になった。
- 2年間さまざまな制限を受けた中、放送という切り口で、体験の場を提供されたことはすばらしい。参加した子どもにとっては一生の記憶になり、進路にも何らかの影響を与えることもあるかもしれないと想像した。
- スターがサプライズで登場し、自らの経験を下手だったと子どもの目線に合わせた話をされた。成功者の言葉は重みを感じられ深く心に刻まれた企画だったと思う。
- 夢は頑張り続ければ叶うわけではなく、多くの人は現実と折り合いをつけながら当初の夢とは違った人生を生きることになると思うが、当初の夢がかなわないと悟った時にどう軌道修正していくかという視点も大事な気がする。
- 若い人たちが地球的な視野からの問題提起、平和や貧困に対する思い、問題意識や課題意識をもち、それを堂々とよどみなく語ることに感動した。
- スタジオ出演の男女のバランスがもう少し均等に近づけばよかった。
- 高齢出産で子どもを授かった家族を訪ねた場面で、誤解を生むような発言が気になった。
- 20年前の手紙を妻の前で読む夫の感極まった様子に一番心を打たれました。
- 歴史のある民間放送局として、歴史の重みを視聴者やリスナー、ネットユーザーと共有する、親和性を高めるという部分で、もっと手前味噌であっても良かったのではないか。
- 子どもには非日常のメディアの日常がうまく織り交ぜられ、教育的機能も併せ持っていた。
- 番組を見ながらRCCがめざしていることが分かったような気がした。身近な有意義な情報を流しているローカル局、県民のための番組と感じた。
【番組担当者の返答】
「広島家族。」をブランドスローガンに掲げるRCCがさらに県民の皆さんとつながりを持ちたいという気持ちで制作しましたが、簡潔にでも全体を説明すればよかった。企画内容の詳細についてはHPの紹介をつけておけばと思いました。スタジオパートは、懸念した部分で、収録の一部にしています。内輪うけにならないようにバランスを考えました。
【その他】
民放連(日本民間放送連盟)放送基準の改正に伴うRCC番組基準の変更について妥当であるとの答申をしました。