第680回中国放送番組審議会 概要

審議したのは、8月6日に放送したテレビ番組「それでも核兵器要りますか」です。7月にオーストリアのウイ―ンで行われた核兵器禁止条約締約国会議で、参加した広島の高校生を取材。また、被爆直後に撮影されたフィルムの子どもが77年経って証言を始めたエピソードも紹介しました。

【制作担当者の説明】

ウクライナ侵攻以降、核兵器を取り巻く状況が厳しい局面になっています。国内でも核配備を求める声があがり、核兵器がどういうものか伝わっていないのではないかと感じました。放射線の被害、生き残った人も数カ月後、数年後に放射線の被害によって亡くなり、今なお苦しんでいる人もいると伝わっていないのではないかと感じ、RCCのライブラリーにある被爆者が訴えてきた貴重な声をもう一度聞きながら、締約国会議の現在の動きとリンクさせて番組を制作したいと考えました。

【委員の方々からのご意見、ご感想】

【番組担当者の返答】

放射線チェックは、核兵器が使われてしまうと放射線被害を調べなければいけないという、赤十字社のデモンストレーションで、非人道性の象徴的な部分と考えて放送しました。海外メディアの関心は、現地で詳しく取材はできませんでしたが、アメリカなど核保有国が参加していない点で、大手メディアの取材がなく、広がりがないことも原因だという人もいて、状況を丁寧に説明すればよかった。政府関係者に質問をなげかけたのは広島出身の大学生で、インタビューもしているのですが、時間の関係で割愛した部分でした。
あの子どもは、被爆50年に、映像に映る人達が当時どのような生活をされているのか探し、取材するプロジェクトがあり、番組内で呼びかけていました。ほとんどの人の所在はたどれましたが、あの子どもはたどれず、たどれなかった人の中でも思い入れのある少年だったと訪ねて行った記者から聞いています。
被爆者の声については、何を伝えたいか言葉を聞いてほしいという気持ちがありました。映像が出てくるとその人の背景などを入れたくなるので、メッセージを聞いてもらいたいという意図がありました。
今回は今の国際情勢の中で、本当に核兵器についてが最も伝えたかったところでした。行動に移すことについては、これから作っていけたらと思っています。

【その他】

今回の審議会から大谷委員が加わりました。また、ラジオ・テレビ両局長から、秋の改編について説明をしました。

<文責:中国放送番組審議会 事務局>
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