審議したのは、5月21日に放送したテレビ番組「アインシュタインの出没!ひな壇団」です。土曜正午から1時間放送しているこの番組は、6年半、お笑い芸人千鳥がMCを務めていましたが、今年4月からアインシュタインにバトンタッチしました。
【制作担当者の説明】
千鳥は、岡山出身で広島のことはなんとなく空気感をつかんでいましたが、大阪出身のアインシュタインには、ほとんど知らない広島のことを一から知っていただこうと企画にも盛り込んでいます。そうすることで、視聴者の方々に改めて広島の良さを感じていただけたり、当たり前だと思っていた広島がアインシュタインの反応を通じて魅力的に感じていただけたりすると良いと思い番組作りをしています。今回は江田島編でした。
【委員の方々からのご意見、ご感想】
- 江田島の海がきれいで、ウェイクボードを楽しめ、地元に元日本チャンピオンがいることがわかり、江田島の魅力や自慢が伝わりました。一方、ウェイクボードの挑戦映像が長く、島の魅力紹介が短かったと感じました。
- 江田島のオリーブ栽培と商品化は、歴史も浅く10年ほど。オリーブの島と呼ぶには誇大な印象を受けました。それよりも、島の方がどのような思いで携わってきたのかなど、取り組みを簡単にでも紹介して欲しかった。
- ウェイクボードの挑戦を通じて、稲田さんがどう笑いをとるかに終始していた感じがありました。
- 稲田さんの顔の形をサーフボードに見立てて笑いを取ろうとしていましたが、プロ同士の芸人だからOKとされたのであれば割り切れなさを覚えました。
- 自分を笑っているつもりでも、同じようなことに悩んでいる人も一緒に笑ってしまうことになる。芸だからいいというのは、作り手の論理であり、受け取り手の側、社会はそれほど成熟していないのではないか。
- 稲田さんの容姿イジリについて、今後はそれを武器にしながら昇華して、自分も傷つけないおもしろい笑いをどのように作ってもらえるか、期待したい。
- 作り手も、演じるアインシュタインも、迷いながら番組の空気を作っている最中だと思う。序盤はいろいろあるだろうが、何年か経っておもしろくなれば良い。
- 打合せはどこまでして、どのあたりまで仕込みがあるか知りたい。
- 広島の魅力発信が、制作意図のなかに入っているなら、江田島という大きな島のどこでロケをしているのか地図を画面に出すなどすればわかりやすくなったのではないか。
- 受賞したオリーブオイルのコンテストはどのくらい権威があるものかわからなかった。有益な情報があったら良い。
- 河井さんが考えながら笑いを取りにパスを出しているように見えました。いろいろ整理をしてもっとおもしろくなると良い。
【番組担当者の返答】
オリーブの島については、取り組みについてもう少し表現方法があったと感じています。容姿のネタの部分に関しては、アインシュタインの特徴の一つです。制作サイドも吟味すべきと思います。稲田さんは真面目な方、笑いをどう作っていくかを考えているタイプで、稲田さんの思いを感じながら編集することはあります。河井さんは、料理好きで健康面にも気を遣う方。笑いのパスについても、2人をもっと知って、演出もしていきたい。