審議したのは、4月3日に放送したラジオ番組 RCC開局70年特別番組「ラジオじじい放談」です。元RCCアナウンサーの柏村武昭さんと南海放送会長の田中和彦さんがそれぞれの人生、ラジオについて語り合う番組です。
【制作担当者の説明】
70年前に開局したRCCにとって人気番組をけん引した経験を持つ柏村さんにいろいろ語っていただきたいという思いで企画しました。柏村さんは77歳、その相手を考えたとき、近い世代の南海放送の会長、田中さんが浮かびました。二人の共通点はラジオが好きだということ。面識はありませんが二人が同じ大学の先輩後輩の間柄であることなどから、実現しました。
【委員の方々からのご意見、ご感想】
- ネットとラジオの関係など良い話をされていました。
- ネットに押されているテレビやラジオのこれからについて、本音をもっと聞きたかった。
- ナレーションの女性がタイトルの「じじい」を何度も繰り返していたが、何か意図があるならもう少し説明があると良かった。
- 「じじい」の反対は「ばばあ」、少しバカにされたような印象を受けました。自分たちだけをピンポイントでいう自虐ももう難しい時代と感じています。
- 言葉尻をとらえると引っかかる部分もありましたが、じじいの放談、言い放つという意味では、タイトルがぴったりで、声もテンポもいいので、気持ちよく聞くことができました。
- 野球や相撲など往年の名解説・名実況など一種の芸、文化ともいえるものがあったということがわかりました。
- 往年のラジオファンを狙った番組、若い世代がターゲットの番組など、今後は多くの人が聞いていることを考えて制作してほしい。
- ラジオ史のようにも感じられる番組で、田中さんの経営者的な視点からのラジオ論やほかのメディアとのかかわりなど興味深く聞きました。
- ラジオ番組の象徴とも思えるような2人の対談だったので、ラジオの今日的な価値や向こう10年の新しい可能性など、2人がどのように思っているのか、聞きたかった。
- 田中さんの話の途中で柏村さんが言葉をかぶせて聞き取れない場面がありました。田中さんの発言を最後まで聞いてみたいと感じる場面も少なくありませんでした。
- 番組内で流れる音楽が柏村さんや田中さんと同じ時代を過ごした人には大変懐かしく感じました。
- 同じ地方局でありながら、広島は、スポーツや原爆という固有のテーマがあり、RCCはそれらを生かしてうまく企画しているという内容があり、改めて広島という土地柄の特徴について考えました。
【番組担当者の返答】
二人の経歴から、自慢話が多くなると予想し、目線を下ろしてもらおうという意図があり、この自虐的なタイトルにしました。今回は、往年のラジオが好きだった柏村さんが引っかかる世代に向けて制作しました。若い世代が作ると往年の世代を切り捨てることにもつながるため、若い世代の番組は若い世代が制作してアプローチしたい。
【その他】
2021年度下半期のテレビ番組種別報告をし、了承されました。