審議したのは、2月27日に放送したJNN28局ネット番組「有吉弘行の故郷に帰らせていただきます~地元でいい顔でちゃいました~」です。熊野町出身のお笑い芸人 有吉弘行さんが広島に里帰りすることをテーマにしたバラエティ番組です。
【制作担当者の説明】
広島を離れて約30年になる有吉さんは、結婚し取り巻く環境が変わる中で、改めて広島を見てどのような反応をするか、地元でしか見られない、撮影できない笑顔が撮りたいとさまざまな仕掛けを用いて番組を制作しました。有吉さんというフィルターを通して全国のみなさんに故郷は良いね、大切だねと思って見ていただけるような番組になればという思いがありました。
【委員の方々からのご意見、ご感想】
- 日曜の昼下がりに見るにはぴったりの内容で楽しめました。
- 有吉さんの正直な毒気が、嫌みがなく、飾りなく表現されていて、おもしろさを引き立てているように感じました。
- 桝田さんのことを知らず、番組を見たあとネットで調べました。元TBSアナウンサーなどと説明を入れても良いのではと感じました。
- 有吉さんにテンションについて何度も問いかけて、くどいように感じました。
- 有吉さんのテンションがオーバーアクションに感じられる部分がありました。
- 有吉さんのはしゃいでいる姿、喜んでいる姿など素直な表情が目立ったので制作意図は成功したのだろうと思いました。一方で、里帰りがテーマであったため、過去への気恥ずかしい照れくささを含んだ故郷熊野町など、ディープな広島取材を期待していたがそれはありませんでした。
- 里帰りとは、自分がいない間に変わっているもの、ずっと変わらないもの両方があり、総合的にいいところだと感じるもの。有吉さんの思い出に残るものがもう少し入っていたら、より素の部分に近づけたのではないか。有吉さんの表情は、タレントとしての顔だったと感じました。
- カメラマンが撮影した画像を静止画としてコンテンツに入れたのはよかったと感じましたが、最後にもっと見られたらよかった。
- 番組のタイトルの「させていただく」は、謙譲語ですが、丁寧語のように使われていました。若い人が何にでもこの言葉をつける使われすぎ問題があると感じています。誰に許可を取って「帰らせていただくのか」疑問に感じました。
- 「杓子」をプレゼントするシーンで、結婚が「是」のような表現があり、違和感を覚えました。有吉さんの表情などでツッコミが入り視聴者目線になり良かった。
- 有吉さんを持ち上げすぎている感じがしましたが、有吉さん自身の発言でそれを下げてバランスがとれていました。
- アンガールズ山根さんはカープに詳しい。うまく情報を入れていて好感が持てました。
- おりづるタワーの近くには原爆ドーム、資料館もあるが、あまり触れられておらず、広島をよく知らない人のために平和公園は紹介してほしかった。
- 全国ネットの中での広島の土地柄、町並みや文化などがうまく表現されていたように感じました。
【番組担当者の返答】
熊野町も取材先としてリストアップしていましたが、折り合いがつかずに断念しました。スタッフは、有吉さんらしいローテンションを想像しながら準備を進めたので初めからテンションが高く期待以上で、そのまま放送しました。タイトルについては、他局で放送している有吉さんの番組との差別化を図る意図があり、言葉遣いまでは考えていませんでした。撮影にあたって、切り込みづらいメンバーだと感じていたので、日村さんがナレーション上で釘をさす役割としていましたが、有吉さん自身がオチを自分でつけるところもあり、バランスをとりました。
【その他】
ラジオ・テレビ両局長から、春の改編について説明をしました。