審議したのは、去年12月30日に放送したテレビ番組「バラの街にJリーグを~拓け福山シティFCの夢~」です。福山市で2017年に創設されたJリーグを目指す社会人サッカークラブ福山シティFCを取材した番組です。
【制作担当者の説明】
伝えたかったことは、3つ。Jリーグを目指すサッカークラブが、福山にあるということ。福山シティFCに携わる若い人たちの魅力。そして、広島県第2の都市、人口46万人の町、福山市の持っている力、ポテンシャルの再認識です。福山シティFCとの出会いは、一昨年12月。天皇杯に初出場で快進撃を見せるチームがあると聞いて驚きました。ベスト8まで勝ち進んだ福山シティFCは、22歳の監督、働きながら活動している選手など、チームに魅力を感じ、取材を続けました。
【委員の方々からのご意見、ご感想】
- チームが勝って、昇格するシーンで終わり、構成が良かった。
- 小谷野監督と岡本GMの人物像や経営の努力などバックグラウンドにも興味を持ちました。
- 監督のコメントやナレーションにはない字幕説明がいくつかありました。この違いは行き過ぎではないか。
- スポーツで地域に夢を、希望をなどよく言われるが、ただポジティブに受け取れるかというと、拒否感を覚える人もいて、違和感を抱くような意見もよく目にする。社会情勢と国民の感情などと、マスコミの感覚との間に乖離のようなものがあり、それが表面に出てきていると感じている。スポーツを神格化しすぎている社会を想起させられました。
- 福山で行われた試合後の観客インタビューで、岡山からの人のインタビューが2人も出ていた。地元の人がいなかったのかと感じた。
- インタビューについては、備後地区にこだわらず、ファン層がひろがっているのではと感じていた。
- 深夜にコンビニ弁当を食べるシーンでストイックさを演出していたが、今の時代、健康やメンタルヘルスを保つことも大事だと感じた。
- デニムを穿くが靴を履く方の履くになっていた。
- 9割以上の選手は働きながら活動をしているとのことだったが、選手の年齢層や背景などチーム自体についてもう少し詳しく紹介があると、地元への密着やどんなサッカーをしているかが伝わったのではないか。
- 小谷野監督が日本と海外のサッカーを比較した部分をもう少し具体的に聞きたかった。監督が目指す指導法が、クラブの理念との整合や共鳴がもっとよく伝わったのではないかと感じた。
- 試合後の監督が勝利して得たパネルを持って、杖のような恰好をしていたが、広告を出している会社側の立場に立つと、あのシーンはカットしても良かったのではないか。
- 福山シティFCは、J1昇格が最終目標ではなく、福山の価値や魅力を全国に発信していくクラブにしたいという思いとチームの理念が福山市民に共感され、応援と支援の輪が着実に広がっているのだろうと理解をし、クラブと市民が共通の夢を持って、その実現に向けて一体になって歩んでいる様子が、この番組からうかがえました。
【番組担当者の返答】
監督が弁当を食べるシーンについては、寝るだけのために帰っていることを強調しようとした結果です。健康にを気を遣うことは正しいと思います。福山シティFCにとって、福山市だけではなく、府中市、岡山笠岡市なども含めた地域のスポーツチームでありたいという思いがあるということを伝えたくてインタビューに県外の人の声を選択しました。字幕とナレーションが違う点については、放送時間や字幕を付ける時間が限られる中で、ナレーションだけでは説明しにくい部分を字幕で補おうと敢えて変えたところもありました。