新型コロナウイルス感染防止のため、ウェブ会議システムを利用して審議会を開催しました。
審議したのは、3月6日に放送したテレビ番組「東日本大震災10年プロジェクト つなぐ つながるスペシャル」です。TBSテレビが東日本大震災10年の節目に1週間継続して放送した番組の一つで、RCCからもディレクターが取材協力しました。
【制作担当者の説明】
これまでの放送でメディアが振り返られなかったことや検証できなかったことを放送する目的で企画が進みました。RCCが担当したのは、テレビユー福島の記者の当時の思いとその時出会った人たちの今でした。若い世代に見てもらいたいというコンセプトがあり、制作者の栗栖ディレクターが20代のため、感じ取ったまま表現できたらという思いで制作しましたが、ローカルと全国ネットの放送は違うことを改めて感じました。
【委員の方々からのご意見、ご感想】
- 未曽有の事態の中でさまざまに思い悩んだことを思い起こすことができました。栗栖ディレクターの取材には、広島の視点があっただろうし、それが番組に生かされたのだろうと感じました。
- ネットとローカルの違いはどんなところにあるのですか。
- 黒い津波の科学的な分析とその解説がわかりやすかった。
- 黒い津波については、人がその津波を受けて、どう関わっていったかというのが、少なかったような気がしました。4つあったテーマの中で、検証としていたこのテーマが1つ、少しタイプの違うもののような印象を受けました。
- 放射能の危険から記者を守るために退避命令がくだされる一方で、その危険を市民には伝えず自分たちだけが避難する後ろめたさと、仮にそれを伝えたとしても混乱を誘発してしまうという葛藤やジレンマが良く伝わってきました。正解のない対応に対する正直な告白が良かった。
- 番組で伝えた花火をあの現場で見ていた。ライトアップニッポンと呼ばれるプロジェクトだったが、背景説明がされていればなおよかった。
- 福島の取材をした経験を生かして、広島でも取材を継続して欲しい。
- 10年前のそこで生きていた人たちの話を直接的にカメラでとらえて放送していたことが、他の番組とは違い非常に参考になりました。
- タイトルにある「つなぐ つながる」という意味で、各地から若手記者が番組作りに参加されていること自体が次につながるという意味で招聘されているのだと感じました。
- 新型コロナで、その日の生活も危うくなる人が増える中、個人に防災や減災の意識を投げるのは酷だと思う。国や県がどのように対応しているのかメディアは監視をしてほしい。
【番組担当者の返答】
取材の段階では、津波にあった人や撮影した人の話など当初は盛り込む予定でしたが、分析パートに説明を重ねていくと時間が足りなくなり、当日はカットしました。しかし、後日人にまつわるパートだけを再編集して放送をしました。全国放送では、全国の立場の違う、住む場所も文化も違う人が一つのものを見るのだから、伝えたいことを精査してピンポイントで絞って伝えるということを学びました。
【その他】
ラジオ・テレビ両局長から、春の改編について説明をしました。