新型コロナウイルス感染防止のため、ウェブ会議システムを利用して審議会を開催しました。
審議したのは、12月29日に放送したテレビ番組「走れ被爆電車 広島で最古の路面電車が復活 鉄道マンの奮闘に密着 コロナ禍に光を!」です。広島電鉄がコロナ禍の広島を元気づけたいと被爆電車であり、広島電鉄内で現存する最も古い電車の156号を復活させ市内を走らせる取り組みに密着したドキュメンタリー番組です。
【制作担当者の説明】
被爆70年の際に被爆電車特別運行プロジェクトを一緒に行っていたご縁もあり、今回の復活プロジェクトの取材に対して声をかけていただきました。何度か取材を行っていくと、被爆電車復活に向けて邁進する姿や先輩から後輩への技術の伝承など放送したい映像や内容が増えていき、ニュースの企画で放送するだけでなく、特別番組にして伝えたいと思い制作しました。
【委員の方々からのご意見、ご感想】
- 被爆体験の継承という言葉をよく使うが、この取り組みは当時と今をつなぐ象徴として被爆75年にふさわしい内容だった。
- 入社3年目の若者が、職人たちとやりとりをする中で、技術の伝承だけでなく、企業の思いやDNAが感じられました。156号などの被爆電車に感情移入して見させていただきました。
- 広島市中心部の街並みが遠景、近景、ドローンなどいくつも映し出されて、楽しく見ました。
- 当時、車掌を務めていた女性の話をもっと知りたかった。
- この番組の放送時間を変更して、もっと多くの視聴者のいる時間にしてはどうか。
- 95年前に製造された電車が今も動くということに驚きました。
- 広電の内部の視点はしっかり描かれていましたが、外部からの視点が盛り込まれていなかったように見受けられました。
- 路面電車の写真をカメラで撮影している人たちの立ち位置が危ないように見えました。
- ナレーションに年代が多く出てきた。時系列の説明だったが、ナレーションを聞きながらその年代を足し算引き算することになり不親切ではないか。
- 意図されていたかはわからないが、このプロジェクトに関わっている番組の出演者たちがさまざまな年代の方で、それぞれに焦点が当てられていた。
- この番組を技術の伝承など仕事をしている人を視点に教材として見てもらい、学生が意見交換したり、レポートを書いたり、深く掘り下げるような活用をしてはどうか。ただ、多様性という視点から見ると、登場人物に女性が少なく、働き手は男性という印象が残るところは残念な印象だった。
- コロナ禍にリモート、バーチャル、IoTなどが取り沙汰されるなか、技術、技というアナログなものを熱意を持って伝えていることを読み取りました。
【番組担当者の返答】
被爆電車をさまざまな角度から撮影しようと、カメラの配置など分刻みでクルーが移動し、まさに一発勝負の映像ということで綿密に打ち合わせをし、撮りこぼしのないようにしました。
車掌の笹口さんにはお話をたくさん聞いているので、イマナマ!でも放送しましたが、今後も取材を重ねたい。出演する人の多様性という観点は今後に生かしたい。