審議したのは、1月18日土曜(16:00~16:54)に放送したJNN28局ネット 第30回JNN企画大賞「命をつなぐ 動物園、もう一つの誓い」です。JNN系列28局から募った中で、優秀な作品として選ばれた企画を取材し、放送する取り組みで、昨年、大賞に選出され取材放送しました。
【制作担当者の説明】
2020年のオリンピックイヤーに放送になることを見据え、オリンピックは平和の祭典、人類が盛り上がる中、一方で、世界には絶滅が危惧される動物が後を絶たないところに着眼して制作に入りました。広島、福岡、富山の3つの動物園を選んだのは、共通項がありました。里山にあり、その地域ならではの身近な動物を育てようとしているところです。そして、レジャー施設と思われがちな動物園は命をつなぐという大切な役割を担っていることを知っていただきたいという思いで制作しました。
【委員の方々からのご意見、ご感想】
- ツシマヤマネコの赤ちゃんが誕生する映像や北アルプスの雪の上を歩く真っ白なライチョウ、オオサンショウウオの金色に輝くタマゴなど、命の尊さ、神秘を感じる映像になっていました。
- 公害や地球温暖化などこれまで人間の都合で自然を侵してきたが、動物の命をつなぎ、守っていくことは自然の豊かさを守ることにもつながっていくと感じました。
- なぜ今年この内容の番組を作らなければならなかったのか、番組内でもう少し説明が欲しかった。
- スミソニアン国立動物園の取材で、オオサンショウウオの研究がいかに畏敬の念をもって受け止められているかがよくわかりました。
- どういった層を対象に番組作りをしたのか知りたい。動物の声としてナレーションをいれたところは、本当にそのように思っているかわからないので、なくても良かったのではないか。
- それぞれの動物の声には、その生まれ育った方言が使われていたが、富山のライチョウは標準語だったのが気になりました。
- インタビューをされている人を真ん中ではなくサイドに寄せており、空気感が伝わり、素敵でした。
- 番組の中にでてきた「サポートワンセルフ」という英語は、「命をつなぐ」の直訳したのかと察しますが、この英語の意味は「食いぶちをつなぐ」という意味になり、もっと相応しい訳し方があるのではと感じました。
- 動物園の存在、目的、役割を改めて考えさせられる奥深い番組でした。
- 命をつなぐ取り組みをこれからも発信していただきたい。
【番組担当者の返答】
ファミリー層をターゲットに制作しました。JNN企画大賞は、これまで硬い内容が多かったので、視聴率なども意識し子どもにも見てもらいたいと、動物に声を入れたり、タレントを起用したりして演出をしました。オオサンショウウオは、いま新たな局面に差し掛かっています。それを継続取材し、一つの番組としてまとめたい。
【その他】
今回の審議会から下山委員が加わりました。