今回審議したのは7月10日に放送したテレビ番組「RCC豪雨災害情報」です。この番組は、7月6日に降った大雨などの影響で西日本豪雨災害が発生。広島県は甚大な被害を受けました。RCCでは、その翌7日土曜日に一時間、8日日曜に一時間、そして、9日月曜から13日金曜まで、午前10時25分からおよそ1時間、午後3時からは2時間のイマなまっ!で、夕方6時15分から45分間のニュース6で、特別に放送枠を設ける形も取りながら、豪雨災害に関する情報を伝えてきました。
【番組担当者の説明】
この番組は、そのうち午前帯の特別番組の1つです。
RCCでは、災害の発生前から非常に大きな危機感を持って報道活動に取り組んできました。6日金曜の午後から7日土曜の朝にかけて、画面に災害情報という形で、大雨に関する情報を出し始め、災害が発生してから連続して9日間、特別番組を放送しています。
また、現在もJNNの系列局から多くの応援が入っている状況。通常ではない形の報道体制を継続しています。今後も被災地の状況を伝えていきます。
【委員の方々からのご意見、ご感想】
- 現場リポーターの服装が街を歩くような軽装でした。災害発生現場に取材に行く格好では、安易すぎると感じました。
- 男子リポーターの足元を水が流れていました。リアルな映像にはなったが、現場のリスク管理が気になりました。
- 現場で聞いた話をそのまま伝えるのみで、それ以上何が問題でどうなっているか、それ以上の報道がなかったのが残念でした。どの段階でどういうテーマを扱うのか計画や一定期間での構成はどのように考えていたのか知りたいと感じました。
- 番組の最後に被害が大きくなった気象状況やボランティアの話が出てきたので、被災しなかった人の立場で見ても、役に立ちました。
- 視聴者が撮影した映像を受け付ける「RCCスクープ投稿」という名称について。被害を受けたところに向けて「スクープ投稿にどうぞお送りください」と呼び掛けることは、心情的に抵抗を感じました。
- 視聴者からの投稿の映像に牛舎がありましたが、あの牛舎のその後をフォローしてほしい。
- スタジオで、県内の地図を出して、道路情報を出してほしかったです。通行止めになっている道路が多い中、どの道ならば通行可能か、不可能なのかが知りたかった。民間で出している情報があったので、そういったものを活用してはどうか。
- 亡くなった方の名前、年齢、職業を伝える際の無職という言葉が気になりました。名前と職業は必ず伝えなくてはいけないのでしょうか。
- 空からの映像や中継の映像から10日の時点の県内の現状が非常によくわかりました。住宅、交通網、経済活動、気象の背景・メカニズムとテーマに分けられてよくまとまっていました。
- できるだけ被害状況に迫りたいとリポーターが被災地の家の中などに入って中継をする際、断られることはよくあり、こういうことはとても難しい。しかし、よく受け入れていただいていました。これは、これまでRCCが培ってきた信頼が表れているのだろうと感じました。
【番組担当者の返答】
- 牛舎は、この放送の約一週間後に現地取材をし、新たな命が生まれたことをお伝えしました。子牛は、予定より遅く生まれましたが、予定通りなら豪雨災害と重なっていました。誕生が遅くなったことで、無事に出産。元気に誕生したことを放送しました。
- 個人情報、災害被害者の情報をどのように出していくのかは、今回の報道も含めて、大きな課題。必ずしもRCCだけでなく、JNN系列の中でも話し合わなくてはならないテーマです。これまでも、経験を積み上げて現在の原則を築いてきました。例えば、それを変えるのならば、議論をし、変えるか変えないかを考えるということをしなければなりません。
- 道路状況は、国や県など道路管理者がバラバラであったり、状況を把握し更新している間に、さらに新しい情報が入ってきたりする状況だったので、今回のような広域に及ぶ災害時には伝えることが難しかったです。また、車のメーカーが出した情報などを災害時にニュース報道で使用することについても、検討が必要だと感じています。