今回審議したのは3月24日に放送したラジオ番組「口伝稲生物怪録」です。
この番組は、三次市で江戸時代から絵巻物や小説など、様々な形で語り伝えられてきた妖怪物語をラジオドラマ化したものです。
【番組担当者の説明】
古くから三次に伝わる「稲生物怪録」。絵巻物や小説に登場する妖怪に声をつけるとどのようなきこえ方をするのか、また、その声だけでなく、風や雨の音などの効果音も人間の声で表現し、地元に伝わる物語を音で残してみたいと考えました。チャンスがあれば夏の時期にもう一度放送してみたいと考えています。ラジオドラマを作ることが近年なかなかなく、ラジオドラマを聴くということも少ないように感じています。ほかのラジオドラマにもチャレンジしてみたい。
【委員の方々からのご意見、ご感想】
- 人間の声で、いろいろな効果音を作っているところが声の芸とも言えると思う。達者に音を作っていて、聴いていて単純に楽しいと感じた。
- 妖怪物語なのだが、あまりおどろおどろしい感じや怖い感じを抱かず、淡々とストーリーが進んでいくので、60分間は中だるみを感じる部分もあった。
- 午後6時からの1時間の放送だったが、夜、しかも深夜でも良かったのではないか。
- ラジオドラマで、聞き手にシーンを思いうかべさせるには相当な技術が必要。その意味では少し物足りなく感じた。
- 声と声の間、効果音と声の間などにもっと「間」が欲しかったが、今回は、決められた時間の中で決められた物を入れるために、セリフが流れたように感じた。
- 声のトーンが同じようにきこえるので、誰が誰なのかわからなくなるところがあった。
- 相手を「さん」付けで呼んでいたが、物語の舞台が江戸時代の三次なら「さん」ではなく「どん」などではないか。呼び方について、疑問が残った。
- 登場人物の声よりも効果音が大きい部分もあって、音のボリュームの調整をしてほしかった。
- 三次市が舞台の物語なので、三次の風景が想像できるようなナレーションをつければ、聴く人のイメージをもっと膨らませることができたのではないか。
【その他】
事務局長から視聴者センターに寄せられる番組やRCCに対しての意見・指摘などを紹介し、どのように対応したかを報告しました