今回審議したのは、2016年11月20日に放送したテレビ番組「平和ってなんですか?~大学生が聞いたヒロシマとオキナワ~」です。
この年の二月に「ニュース6」の中で「オキナワを知る」と題して行った企画取材をきっかけに、広島と沖縄の間にあるギャップについて考えた番組です
【担当ディレクターの説明】
被爆者との対話を重ねている沖縄県出身の大学生を通して、彼女なりに持っている『平和ってなんですか?』という疑問について、今回担当した若い記者を含め、広島でニュースを放送している我々が、どうすれば、この感情や考えを理解できるのかと悩みながら作ってきた番組です。
なんとか形にしましたが、まだ我々の中で咀嚼できていない部分も多々あり、いろいろ勉強しながら作った番組です。
【委員の方々からのご意見、ご感想】
- 「平和とは何か」という記者の質問がありましたが、やはり彼女自身未消化だったと感じました。まだいろいろ考えている途中いうことで終わらせたほうが、彼女の実態が伝わったのかなと思いました。
- 最初にこれは沖縄と広島以外の人にも観てもらいたいなと思いました。「ヒロシマ」というものを他の視点から見るというのは、とても有益なことだと思いますし、それも沖縄があるということで、かなり興味深いものだったと思います。そして非常にいい学生を見つけたと思いますが、この人が沖縄のことを広島の人に話すという場があったら、もっとおもしろかったのかなと感じました。
- 沖縄と広島の両方の立場を経験している彼女のフィルターを通してのコメントというのは、説得力がありました。そして、オスプレイとか、もう身近に米軍のフェンスがありながら、慣れてしまったら当たり前になってしまうという、この怖さというのが、この番組の一つの言いたかったメッセージなのかなというのを感じました。
- 広島の記者、ジャーナリストというのは、広島のことはよく知っているでしょうが、たぶん沖縄のことをあまり知らない。沖縄の方も同じなのだろうと思います。だから沖縄も広島も、もちろん他の地域の人も、一緒に戦争とか平和を考えるような、そういう機会が必要だというふうに思いました
【担当ディレクターの返答】
戦争体験者と、長時間どこかに一緒に行くというテレビの取材が体験者が高齢となって厳しくなっています。もちろん最後まで、その声を残すというのも大事ですけれども。
もう一つ、若い人達の中で、どうやって見てもらえるような番組、ニュースの特集を作っていくかというのは、今から試行錯誤していかなくてはいけないと思っています。
【その他】
六年間委員を務めて頂いた加計委員が任期を終了し退任されました。