今回審議したのは、5月13日に放送したテレビ番組「ひろしまフラワーフェスティバル 花と笑顔の40年史」です。ひろしまフラワーフェスティバルが今年40回目を迎えたのを記念して制作された番組です。
【担当ディレクターの説明】
バラエティ色を出して、カジュアルに見やすいものにするのか、40年という歴史を正面からとらえて、ドキュメンタリータッチとするのか、検討を重ねました。
やはり、わが社のアーカイブ素材、ライブラリー素材をフルにいかすべきだと判断して、奇をてらわず過去の映像を使ったドキュメンタリーに近いものを作りました。
【委員の方々からのご意見、ご感想】
- アーカイブの番組としては、うまくまとまっていて、飽きずに最後まで観ました。ただ、これまでの様子は分かったものの、祭りについての素朴な疑問や現在の形になった経緯などを、もっと掘り下げて説明する部分があったほうがよかったと思います。
- 花の塔に飾る花を1軒の農家だけで作っていることなど、非常におもしろい知識を得られて良かったと思いました。ただ県外から来て見ているだけの人間にとっては、市民参加のパレードがぞろぞろ行き交うだけというふうに見えなくもないところがありますから、やはり、元々の成り立ちもそうですが、現在どういうことを意図して、どういう構成で祭りを作っているか、そのへんも見せることができれば、わかりやすかったと思いました。
- 「40年分の懐かしい映像も一挙蔵出し」と番組紹介には書いてありますが、番組の途中にポツポツと出てきて、つながりがなかったと感じました。映像があることを強調し過ぎて、全体の流れがボケてしまったような気がします。
- 今回、理屈から入ったような気がします。当時、事務局にいた方の話から始まって昔の映像に入りましたが、台本を聞かされて、後で資料を渡されたような印象になりました。いろんな逸話・裏話はあったほうがいいと思いますが、インタビューは映像の中にはさんだほうがよかったと感じました。祭りを作った人の側の視点で番組が作られていたような気がしました。
- 振り返るだけでなく、これからのこと、未来にむかって夢や展望を持てる部分に、もっと時間を割いてもいいと思います。
【担当ディレクターの返答】
単調になり、メリハリがなかなかつけにくかった点は、自分の中で心残りでした。
客観的にフラワーフェスティバルというものをとらえた時に、どんな祭りかがよく見えないなというような部分があり、そこを描けないかとトライしましたが、結局、『人の笑顔が花なのだ』という思いになりました。
そこに来る人が笑顔になる、皆が集まって楽しめるような祭りなんだということを全面に描こうとしました。今後もし50年史を番組として作ることがあれば、生かしていきたいと思います。