今回審議したのは7月26日放送のRCC被爆70年プロジェクト「未来へ」のテレビ番組、「母子草(ははこぐさ)の花 原爆小頭症患者 母と子の70年」です。
母親の胎内で被爆・大量の放射線を浴びて、知能に重い障害を持って生まれた原爆小頭症患者をテーマとした番組です。
【担当ディレクターの説明】
「原爆小頭症患者の現状を中心にしてまとめました。小頭症は1965年にRCCが報道して以来、カメラマンやディレクターが襷をつなぐようにして、長年継続して取材をしてきたものです。今回の番組で一番の思いは、この極めて忌まわしい体験を次の世代に繰り返さないように、若い人たちにも分かってもらえる番組にしたかったということです。母親の胎内で一瞬の放射線を浴びただけで、生まれてからこれまでのすべての人生を台無しにされたという人々がいることを知ってもらいたいと思います。」
【委員の方々からのご意見、ご感想】
- 途中おもわず涙が出てしまったところもありました。今回取材した原爆小頭症の方が一人で暮らしている様子はよくわかりましたが、何か生活をフォローするような「被害者の会」や地域の活動がないのかと、非常に心配になってしまいました。だんだん年をとっていき、たぶん身内もいない様子なので、とても心配が残ってしまいました。
- 本人の「頑張ります」という言葉が、逆にもう限界ギリギリなのだろうと思わせました。そして三十分という中で、その現状を表現するのは難しいのではと感じました。特に若い人に分かってもらうためには、考えさせるのではなくて、もっとストレートに表現した方がいいのではないかと思います。
- 原爆というものが、最後の最後まで大きな傷跡を残すものだとつくづく思いました。
- 番組については感銘を受けましたが、放送をもっと多くの人が見られる時間帯にするべきではないのかと思います。
- アメリカなどでは、戦争を早く終結させるためには原爆という方法を取らざるを得なかったというような議論をしますが、最近同じようなことを日本の若い人が云うことがあります。そんな人たちにこの番組を観てもらいたいと思います。
- 原爆に対する深い意識を持って広島を訪れる人に、ライブラリーのような形でRCCの被爆70年プロジェクト全体を見てもらうような取り組みもあるのではないでしょうか。
【その他】
最後に11月に岡山で行われた「JNN系列放送番組審議会・近畿中四国地区合同協議会」について越智委員長から報告がありしまた。