今回審議したのは、1月17日に放送したラジオ番組「一文字弥太郎の週末ナチュラリスト 朝ナマ」です。
土曜日の朝のワイド番組です。阪神大震災からちょうど二十年となるこの日の放送では、広島出身で神戸大学に進学した息子を震災で亡くした母親が、神戸で行われる追悼行事に参加するのに同行し、スタジオとつなぎながら、震災について放送しました。
【担当プロデューサーの説明】
ちょうど阪神大震災から二十年目ということで取組みました。広島でも昨年大きな災害がありましたが、阪神大震災から二十年たっても癒えない気持ちや心の動きを一人の女性を追って番組を制作しました。
【委員の方々からのご意見、ご感想】
- 本当にいい番組でした。息子さんがラジオのクイズに出演している音声をみつけてきたことはすごいと思います。
- 番組の最初で涙ながらのお母さんを出演させた意義はどうなのかとおもいます。それよりもお母さんの影響をうけて、国連までいった高校生たちの話を先にして、お母さんが最後に出た方が効果的だったのではないかと思いました。
- お母さんの声をしっかり放送して、なおかつ息子さんの声まで探し出し、そして手紙まで紹介して、それぞれしっかりと聞かせる内容だったことは大きいと思います。
- お母さんが泣かれたシーンが最初にあってインパクトが強すぎるのではという点については、いかに聴いている人をひきつけるかという点では、非常によかったんじゃないかと思います。
- いろんな人との出会いの中で、頑張って生き抜く力をつけていこうとされる努力を垣間見ることができました。
- 今回、四時間のワイド番組の中で散らばらせるのではなく、一時間のコーナーとしてまとめるということも考えられたのではないかと思いました。
- お母さんがとても立派な方で、特に高校生と直接つながりを持って、その高校生たちが息子さんの遺影を持って国連に行ったというところは非常に感心しました。
【担当プロデューサーの返答】
阪神大震災では六千人以上の人が亡くなりましたが、その一人一人に家族がいて、その亡くなった方がどんな思いをしていたのか想像してほしいと思い、今回はその中で一人をピックアップしました。
放送が一月十七日ということで、今回は生放送ということを選びました。しかし、同行したディレクターには、一人の身近な人が亡くなるということが簡単には癒えないということを表現することは、今広島でとても重要なことでもあるので、これをテーマに凝縮させたような番組を作って欲しいというオーダーもしています。
【その他】
宮田委員に代わって江種則貴委員が番組審議会委員に就任されました。