今回審議したのは、9月19日に放送したテレビ番組「RCCニュース6スペシャル 奪われた日常広島土砂災害から1ヶ月」です。広島で8月20日に発生した土砂災害。過去に「ニュース6」で放送したものを1時間番組にまとめました。
【担当ディレクターの説明】
今回の災害を何とか記録に残したいとの思いで制作しました。構成は、あの日何が起きたのか、被災者の悲しみ、復興の3つのブロックに分けました。
【委員の方々からのご意見、ご感想】
- 地元の放送局の責務とも言える記録番組を制作することは素晴らしいと思った。
- 最後の方で6・29災害の被害者のコメントがあったが、こんなニュースの中にも明るさを持たせてくれるという意味で、構成が上手な良い番組だった。
- 緊迫感のある映像や、提供された映像がたくさんあって、被害の状況やその後の爪痕の深さ、復興の状況が良い形で描かれていた。
- 導入部分で、記者に当日の行動や状況についてインタビューをしていたが、番組として入りやすく、単なるニュースではないものを作りだしていた。
- 当日の午前3時過ぎに記者が出動していたが、さすがRCCだと思った。
- 八木と緑井を中心に描かれていて、可部がほとんど出でいなかった。今は記憶にあるから大丈夫だが、1~2年経って番組を見た時に全体像が見えなくなるかもしれない。
- 番組の構成上、敢えて外したのかもしれないが、気象や地形のことが全然出てこなかった。
- 集中豪雨や土の問題、安心・安全のために具体的に何をしたらいいのか専門家の話があっても良かったのではないか。
- 奥さんが行方不明の高齢の男性へのインタビューで、「帰って来られるのを待っているんですか?」と言っていたが、聞き方が気になった。
- 被災の場所がどこなのか見ている人は分らないので、スポットで地図を入れても良かったのではないか。
- 若い女性が、土砂が流れている映像を撮影していたが、見る側は迫真性があって良かったが、安全面が心配だった。
- 土砂災害で苦しんでいる人たちのシーンの合間に行政批判があったが、浮いている印象を受けた。
- 災害を忘れやすい私たちが忘れないために、今回の災害を契機にどのように制度が変わったかがわかる番組を今後も作ってほしい。
【担当ディレクターの返答】
記者やカメラマンには取材はお断りと言われたら引き下がるように。また、事故が起きてはいけないので、単独行動はしないように伝えています。
RCCは、原爆報道と同じように、今回の災害に関して継続的に報道します。
【その他】
番組審議会事務局長から、改正された中国放送番組基準は11月1日に施行することを報告しました。