今回審議したのは、8月6日に放送したテレビ番組『人間 中沢啓治 そして、「はだしのゲン」は生まれた』です。
【担当プロデューサーの説明】
昨年12月に亡くなった漫画家・中沢啓治さんは、「はだしのゲン」を通して反核平和を生涯伝え続けた。番組では、その葛藤の様子を本人の証言やRCCが蓄積した40年間の取材映像を通じて描いた。
【委員の方々からのご意見、ご感想】
- ノスタルジックにならず、事実をつかみ、中沢さんの主義思想を伝えている。小学生でもわかる番組だ。
- 「はだしのゲン」は悲惨なシーンがあり、賛否両論がある。賛否両論があるからこれからも生き延びる作品だ。
- 人間としての中沢さんの葛藤の部分がわかりやすくて良い番組だ。
- 中沢さんが、原爆で家族を亡くしたシーンに思いを込めているのが伝わった。
- 中沢さんの生き方や、「はだしのゲン」を書いた経緯がわかり、番組として良かった。
- 中沢さんの奥さんや元同僚、編集者の証言と1980年代の子どものインタビューなどがあったため、厚みのある作品になっていた。
- 「はだしのゲン」は知っていたが、好んで見なかったことを恥ずかしいと思った。
- 「はだしのゲン」を閲覧制限した人たちに番組を見てもらい、どういう考えでそんな意見が出たのかが聞きたい。
- 授業で「はだしのゲン」を取り上げている韓国の小学校のシーンがあったが、取り上げていない学校の意見もあればもっと良かった。
- このような番組を今後も作り続けてほしい。
【担当プロデューサーの返答】
松江市教育委員会が「はだしのゲン」を閲覧制限していることが発覚したのは放送後。放送前であれば、触れざるをえなかった。
【その他】
報道制作局長から昨年8月6日に放送した「ヒロシマの山 葬られた内部被ばく調査」が、日本民間放送連盟賞・テレビ報道番組で最優秀賞を受賞したことを報告した。
テレビとラジオの秋の番組改編について、それぞれ担当局長が紹介した。
日野委員は9月で番組審議委員を退任された。