今回審議したのは、ラジオ番組「核と向き合う~ヒロシマからフクシマ~」です。
これは 去年8月6日に放送した2時間の特別番組で、今年の日本民間放送連盟賞「ラジオ教養番組部門」で最優秀賞に選ばれました。内容は、広島の原爆被爆と福島の原発事故に共通する問題として「内部被ばく」をテーマにしています。
福島の原発事故から およそ5か月経って、同じ核というテーマで何かできることがあるのではないかと考えました。その結果「内部被ばく」問題にたどり着きました。番組では、2人の専門家と 福島から広島に避難して生活しているお母さんをゲストにお迎えし、「内部被ばく」の危険性について、対談して頂きました。
★審議会では、2時間番組のうち、式典中継の大部分を除き1時間に再構成した内容を聴取。非常に難しい話を アナウンサーが分かりやすく丁寧に解きほぐして質問していた。
このため大変分かりやすく、番組の長さを全く感じなかった。とても重厚な番組だった。ただ残念だったのは、「内部被ばく」を中心に問題点を浮き彫りにするなら、同じヒバクでも、原爆被爆と放射線による被曝では、漢字の使い分けがある。
この辺りを もっと明確にすれば、さらに分かりやすかったのではないか。聞き手のアナウンサーと 答える人の両方の息遣いが聞こえてきて、映像がなくても本当に臨場感があった。
一般市民へのインタビューの中で、福島の子どもはマスクをしている。しかし大人は内部被ばくを恐れて重装備している。これはおかしいのではないかと言う声があった。
番組の締め言葉として使っても良かったのではないか。原発事故当時、放射線の健康への影響について『大丈夫です』という専門家は、頻繁に
メディアに出ていました。そうした中で番組作りをするなら、放射線の危険性をストレートに強調する専門家に出演して頂き、両方の意見を手に入れる方が意義あることではないかと思って作りました。
10月の審議会では、放送法で義務付けられているテレビの「番組種別」の放送実績について報告し、委員の了承を得ました。
なお「番組種別」の実績は、RCCのホームページにも掲載しています。