今回審議したのは、テレビ番組「THE Hiroshima 広島まる分かり大辞典」(12月31日放送)でした。
この番組は、知っているようで知らない広島、これぞ広島というものを集めた1時間の内容で、今後 シリーズ化を視野に入れた企画です。
また地域や時代を越えて映像が使えるようにするため、リポーター起用をやめ、ナレーションで紹介する演出手法を取っています。
【委員の方々からのご意見、ご提案】
- 「広島まる分かり」と言うなら、県内をまんべんなく紹介するほうが良かった。県北と海側は出ていたが、中央部がなかった。
- 番組全体が同じようなトーンで眠くなった。ただ映像の撮り方は非常に綺麗だった。広島にこだわるなら、音楽もぜひ広島のアーティストだけにして欲しかった。
- これは、広島を紹介するガイドブックのように使えばいいのではないか。DVDを作って、英語や韓国語、中国語なども入れたら十分売れると思う。そんな方向で、パート2、パート3も楽しみにしたい。
- 観光パンフレットを駆け足で巡る印象がある。地元の人が見て、グッと身を乗り出すような場面があればいいと思う。総花的な印象は否めない。
- 広島に来てほぼ2ヶ月。来る前にガイドブックを何冊か買って読んだが、まさにそういう番組だと思った。予備知識がない人には、非常にいい入門編だ。
- 番組がコンビニ感覚になっている。文化や伝統に対する理解が、浅いところで知ったようなつもりになってしまう。これは、テレビの良さであり、マイナス面でもある。見せ方の切り口としては、一つには「対比」がある。海と山、安芸と備後など、対比で見せながら文化をもう少し掘り下げて欲しい。
- 映像には、広島の四季がなかった。四季折々の広島の良さを強調すれば、もっと魅力を引き出せたのではないか。
【番組担当プロデューサーの応答】
- 今回は『知っているようで、実は知らないこともあるよ』という部分が出せればと思った。それで、コンビニ感覚のような作りになった。
- 音楽については、広島は多くのミュージシャンを輩出している土地柄でもあり、もう少し広島の音楽家を取り込んでも良かったと思う。DVDを作ったらどうかというお話は、非常に嬉しい。そういうことも想定して作った。
続いて、去年12月に放送した「報道特集NEXT」で取り上げた企画が、放送倫理上問題になっていることについて、報道制作局長から報告がありました。問題の企画は、『ブラックノート詐欺』という番組内の特集です。
この特集の取材方法が不適切だったため、制作局のTBSは、放送とホームページでお詫びしました。
またこの問題は、BPO=放送倫理・番組向上機構の審議対象にもなっています。