第527回中国放送番組審議会概要

開催日: 2008年6月24日
場  所: 中国放送役員会議室

今回審議したのはテレビ番組「働きたい〜ニートからの再出発」(2008年3月30日放送)です。定職に就かず、進学もしない「ニート」と呼ばれる若者は全国におよそ62万人いるといわれています。番組では彼らに就労意欲を付けさせることを目的に、合宿形式で開かれている塾、みどり塾に入ってきた2人の青年に10ヶ月間密着取材しました。
彼らはなぜ働くことができなかったのか。どうすれば働くことが出来るのか。塾での生活を通して変化していく2人の青年を描きながら、国が進めるニート対策の成果と問題点を考えています。
番組視聴後、委員の方々からは次のご意見、ご感想をいただきました。

  • ニートの問題が社会として非常に深刻なのだということを改めて考えさせられる番組だった。


  • 再出発を目指して自立塾に入れる人は幸せな人だと思う。


  • 今回の取材をきっかけに、ニートの青年と母親が本当の意味でコミュニケーションが取れて、前向きな出発が出来たというところがすばらしい。


  • 二つの事例で勇気付けられた人が多いと思う。


  • 二人が最終的にいい結果で終わったから番組として成り立ったが、途中は見るのがつらい場面もあった。社会問題の提起としてはいい番組だと思った。


  • 二人は就職できたが、次に来るのはワーキングブアの問題だと思う。ニートに社会として何が出来るか、どんなところを変えていかなければならないか、なぜニートになるのかなどを考えるきっかけにするいい番組だったと思う。


  • 二人は明るいニートだ。彼ら以外のモザイクを掛けた7、8人の入塾者の問題はもっと根が深い思う。


  • 自立塾の存在を知らしめる意味で非常にいい番組だ。


  • ニートという若者がどんな人たちなのか、実態を知るにはいい番組だ。


  • 具体例を通して、社会全体が今の時代に真剣に向き合う番組を今後も継続して制作してほしい。


  • ニートを脱出出来なかった人も紹介してほしかった。


  • 三ヶ月の訓練の過程が見えていない。


  • 番組では母親が、自分が子どもの人格を無視した育て方をしたからニートになったと言っていた。これを見た人が、ニートになったのは母親に責任があると思う可能性がある。



また、「本来ならマイクで拾えない親子の会話があった。作りすぎ。わざとらしいのではないか。」との意見に対して、担当デイレクターは、「取材拒否に3、4回あっているが、その部分を編集でほとんどカットした。取材対象者と関係を作っているから映像が撮れた。」と話しました。
続いての議題は、前回の番組審議会で出た、テレビ番組「RCCプロジェクトEタウン」(5月24日放送)で、鞆の埋め立て架橋問題で賛成と反対の二つの意見を適切に伝えていたかということについてでした。報道制作局長は番組を検証し、一方的な報道ではなく公正、公平性は担保されていたことを報告しました。
なお、6月から畑矢健治さんにRCC番組審議会委員を委嘱しました。
<文責:中国放送番組審議会事務局>

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