(於 中国放送会議室)
2007年5月22日
5月の番組審議会では、まず、RCCから、民間放送教育協議会に加盟する全国34局が制作するテレビ番組「いきいき!夢キラリ」で、RCC制作「ボクらの島をドキュメント!」が最優秀賞にあたる文部科学大臣賞を受賞したことを報告しました。
続いて、放送倫理・番組向上機構(BPO)が5月12日に放送倫理検証委員会を設立。この委員会は、万一、虚偽の内容により視聴者に著しい誤解を与えた疑いがある番組が放送された場合は、放送倫理上、問題があったか否かを調査・審議して、勧告または見解を出し、必要に応じて、再発防止策の提出を求めたり、その実効性を検証するものです。こうした一連の活動をすることにより、放送界の自浄機能を確立し、視聴者の信頼を回復するとともに、表現の自由を守ることを目的としていることを説明しました。
続いて番組審議に移りました。
今回審議したのは、昨年10月から今年1月まで放送されたラジオ番組、「阿川弘之 青春の記憶」でした。阿川弘之さんは広島出身の作家で、先の大戦を実地に体験された方です。番組製作者は、彼の肉声を後世に残したいとの思いからこの番組を企画しました。審議した番組は、13回シリーズの中から、「広島の思い出」や「海軍予備学生として暗号解読で原爆投下機を把握していた秘話」など4本でした。
視聴後、委員の方からは次の意見をいただきました。
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阿川さんの体調が良くないと聞いたが、見事なリズムで話され、素晴らしかった。出来れば、自分ひとりでじっくり聞きたい。
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ジャーナリズムのひとつの使命として、阿川さんの声を残すというのは、いい目的の番組だと思う。だだ、阿川さんが考える日本軍の誤りを、もっときちんと引き出してほしかった。また、226事件に不快な思いをもった阿川さんが、対米戦をどのように思っているかも聞きたかった。
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話されている内容の知識がないので、聞きづらかった。テレビであれば文字情報や映像でイメージ的に理解できるかもしれないが、ラジオはその点が難しい。
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車の中とか何かをしながら聞くのはつらい。シリーズでライブラリー化して、いつでも誰でも聞ける状態にしてほしい。
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バックグラウンドの説明に工夫がされていることに感心した。映像を入れて、テレビ番組にしてほしい。
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製作者の強い思いが、阿川さんの言葉を引き出している。戦中、戦後の事実よりも、阿川さんがそれをどのように捉えたかをもっと聞きたかった。
最後に、委員から賞を受賞するようなすばらしい番組ばかりではなく、評価が分かれ議論になる番組も審議したいとの意見が出ました。
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