(於 中国放送役員会議室)
2006年7月25日
7月の番組審議会は、2005年度のギャラクシー賞優秀賞に選ばれましたラジオ・ドキュメンタリー番組「燈燈無尽〜ヒロシマを伝えたい〜」を審議しました。
この番組は、被爆60年を経た今も、苦しみを抱えながら生きる原爆小頭症児とその親を女優の斉藤とも子さんが「受け継ぐことの苦しさ、伝えることの難しさ」をテーマに取材した作品です。
番組試聴後、委員の方々からは
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原爆小頭症の方々の現実は、誰かが引き継いで伝えていかなければいけないと思います。いい番組で、とても批評できない気持ちになりました。
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一般的な市民の日常が、原爆という非日常的なもので、一瞬にして奪われた。そして、60年以上も苦しみが続いているということの事実の重さというものを伝える、伝えなければいけないとの思いで一生懸命作られたということが、よく分かるように思います。番組としてのインパクトも極めて大きかったように思います。テレビよりもラジオ番組にされて良かったと思います。
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音声だけの世界というのもいいと感じました。部屋で一人、じっくり聞けば、もう少し深く入ることができたと思います。原爆の惨状そのものを伝えて、平和を維持したいという番組が多い中で、この番組で真実そのものを伝えることが非常に困難というか、伝えづらい真実がたくさんあるということが分かりました。
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広島は、世界で最も平和を語るにふさわしい場所だと思います。こういう番組は広島にしかできないことだと思いますので、これから、子どもたちに向けた番組も作っていただければと思いました。
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ラジオ番組で45分は長いと思いましたが、構成がしっかりしていたので最後まで聞けました。原爆の惨状や貞子さんの話は小学生の頃に学校で教えますが、それ以外のことは余り伝えられていないのが現状です。このような番組を教材として使っていただければいいと感じました。
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斉藤とも子さんという広島の人じゃない方が、被爆の実態や事実を知っていくことで、どう感じたのか、どう変わっていったのかが自然と伝わってきて、「ヒロシマを伝えたい」という番組の意図は達成されていると思います。
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斉藤とも子さんと小頭症の子ども達のご両親との信頼関係、絆が深いことに感心しました。これは長年にわたり足で稼いだ取材だからできたと思います。その強みがしっかり出た番組だと思います。
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事実を記録すること、伝えること。そのことの難しさ。このテーマでずっと貫かれていました。
非常に難しい作業で、長年の取材に敬意を表したいと思います。
などのご意見ご感想をいただきました。
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