第505回中国放送番組審議会概要

(於 中国放送役員会議室)
2006年6月27日

6月の番組審議会は、自社制作番組「問われぬ罪〜施行5年危険運転致死傷罪」を審議しました。
この番組は、飲酒運転で100キロ近いスピードを出していた上に、片手ハンドルで座席に足を上げる片手片足運転をしていた悪質ドライバーによって命を奪われた女性の遺族と、将来結婚することを約束していた恋人の男性が、加害者に対して業務上過失致死傷罪ではなく危険運転致死傷罪を求めて運動する様子を描いたものです。
委員の方々からは、次のようなご意見、ご感想をいただきました。

  • 見ていて、とても被害者側の悲しみとか苦しみが伝わってきました。
    番組は、どちらかというと二人の思い出話など感情に訴えかける部分が多かったと思います。危険運転致死傷罪が適用されないのは何故なのか、疑問点は何なのかを突き詰めて取材して欲しかったと思いました。


  • これから、陪審員制度の問題もあります。検察側の姿勢は、陪審員の判断にも影響を与えます。検察の今回の求刑でいいのかどうか。道交法の罰則の見直しが必要なのではないかなど、もう少し踏み込んでいれば、もっと素晴らしい番組になったのではないかと思いました。


  • 番組を見て感動しましたが、危険運転致死傷罪とは何なのか、弁護士だけでなくいろんな人の考え方を盛り込んで作っていただきたかった。番組としてこれで終わってしまうのか。再審請求をして社会に訴え続けるのか。追跡取材をして、もっと社会を動かすような番組にして欲しいと思いました。


  • 広島で、過去に危険運転致死傷罪の適用例があれば、どのようなケースだったのかの説明があれば、視聴者が見て、もっと理解してもらえたのではないかと思いました。


  • 法務省なり検察庁なりが、この問題をどう捉えているのかという意味でのメッセージがあれば、さらに我々に訴えてくるものがあったと思います。そこが、ちょっと弱かったかなという感じがしました。いずれにしても、意欲的な番組だったと思います。


  • 社会正義の面からこの問題を取り上げられたのがうれしい。
    一生懸命に署名を呼びかけても応えてもらえない。ビラを配っても、はねつけて行くシーンがありました。あのシーンをどうとらえるかは、人によって違うと思いますが、そのような風潮を変えたい。もっと目覚めて欲しいと訴えたくて番組を作られたのだと感じました。本当に素晴らしい番組だと思います。高く評価します。


<文責 番組審議会事務局>

トップへ戻る


Copyright (C) 2006, RCC BROADCASTING CO.,LTD. All rights reserved.
E-mail to rcc@rcc.net