(於 中国放送役員会議室)
平成15年度最後の番組審議会は、12月16日に開催されました。
審議番組は、11月29日土曜日の午前10時半から放送しましたテレビ番組『命あるかぎり〜海軍兵学校第76期生の今〜』です。
この番組は、江田島で開催された海軍兵学校第76期生最後のクラス会を取材、76期生が戦後をどのように歩んできたか。兵学校教育をテーマに制作した番組です。
昭和19年10月に入校した第76期生は、3500名、その内既に3分の1が他界され、残り2000人のうち約1000人の方々がクラス会に参加しました。
番組視聴後、委員の方々からは
-
教育というテーマ、子ども達に未来を託すということはある程度出ていたと思います。
江田島精神とか江田島教育は、いろいろ本に書かれたりしていますが、もっとその精神や教育が具体的に描けていれば良かったと思います。
-
16〜17歳の若い多感な少年達が、大きな影響を僅か10カ月の間で受けたのだなということが分かった。教育というものを問い直す一つのキッカケになるのではないかと感じました。
-
私自身がこの年齢になり、今から何をすべきかと自分に置き換えながら考えさせられる番組だったと思います。
-
この番組を見て色んな感想を持たれると思いますが、こういった精神が広島にはあったということを描いている。非常に良かったと思います。
江田島の表玄関は、桟橋です。あそこから入ることが許可されたことが、どれだけ素晴らしいことか。昔の精神というものがずっと継承されているのです。この辺りを番組の中で取上げていただければ、いい意味での広島のPRになったと思います。
-
論評が難しい番組ですね。海軍兵学校というのは、確かに我が国の第2次世界大戦が終わるまでは、全国から優秀なエリートを集めて独自の教育を施していた有名な学校でした。また、この学校をご卒業なさった方が、現在の繁栄した日本を築いてこられたのは間違いないことです。
ただ、正直言って私個人は、これを拝見していて何か非常に複雑な思いを持ちました。、頑張る教育が非常に重要だということは分かるんですが、この日本を作られたのは将にこの方々であり、物質文明云々というのも、この方々でありその子どもである私達です。海軍兵学校という戦争をすることを目的とした人達が、どうして第2の人生としてドクターや曹洞宗の雲水、その他の道を選ばれたのか聞きたかった。海軍兵学校に関しても、今だからいい思い出と言えるんだけれども、当時どう思っておられたのか。恐らく違うんじゃないかと思います。その辺が出れば、もっと深みのある番組になったのかなという気がいたしました。
-
その生かし方の善し悪しはさておき、この海軍兵学校で敗戦後の日本を立て直す人材を養成する。ここで学んだ力を復興のために役立てるというハッキリしたものがあった。このことは、ものすごく大きな価値だろうと思います。今、教育がしなければいけないのは、そこではないかということを感じました。
この方達がお元気な間に、なんとか色んなところへ関わっていただきながら、あの精神をもっと伝えていただきたいし、私自身も何かしなくてはと思わせられるような番組でした。
-
「江田島海軍兵学校第76期生で、現在活躍されておられる人達の生きざまをオムニバス形式で紹介された作品で、兵学校で受けた教育、その延長線上の青春を経て現在までの生き様。現在の若者達の在り様と比べ、あまりにも大きなギャップを感じます。遅きに失した感はあるけれど、地球環境の大切さ、人間も一つの個であり、全ての生き物とお互いに共生しながら育つことの大切さに気づき、これを実行するには、いつの時代でも教育が大切であるという内容であろうかと思います。これからも、このようなテーマはぜひ取り上げてください。
-
なかなか見応えのある番組でした。
私も今の大学とは一体何なんだろうと考えることが多々在ります。元々大学というのは、中世は音楽と体育が最も重要な教育の中に含まれていたのですが、戦後はそういうものはどんどん減っていきました。今の高等学校では、主要5教科というのがあり、それ以外を雑学といっている。明らかに状況が変わっていると思います。
この問題が、今後の教育にどのように影響を及ぼすかということについては、改めて考えてみたいと思っております。
江田島教育とか精神といったものを、もっと一般的な多くの人達と共有するものへとつなげていくやり方はないだろうか。それは、自分達だって同じような経験をし、挫折をし、悔しい思いをしているという共有した部分を伝えていく。そういうところで生まれてくると思います。
などのご意見・ご感想をいただきました。
平成15年12月16日 中国放送番組審議会
|
出席委員は
委員長:生和秀敏 副委員長 三好久美子
委員:久笠信雄 奥原祥司 青木暢之 黒木義昭 岡本彰 |
トップへ戻る
Copyright (C) 2003, RCC Broadcasting Company. All rights reserved.
E-mail to rcc@rcc.net